沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

研究コラム(つながる、つなげる教員の輪)研究

計算知能で周りの難問の解を探る!

アリ, ファテヘルアリム. F/国際学群 経営情報教育研究学系/掲載日:2013年10月

計算知能で周りの難問の解を探る!

アリ,ファテヘルアリム. F (国際学群 経営情報教育研究学系 教授)

  私の専門は情報工学の計算知能です。計算知能とは、人間や生物の振る舞いに着想を得た問題解決のための応用計算法です。大規模なデータの中から知識抽出し過去の行動から学習して、最適な解決方法(最適化問題)を生み出すまで、幅広い応用に使われます。
  最適化問題(Optimization Problem)とは、「与えられた制約条件の下で、ある目的関数を大または最小にする解を求めること」をいいます。身近にある問題として、最適なダイエットメニューの計算という問題です。ダイエットをしている人も多いと思いますが、極端な食事制限はせず1日3食きちんと食べ、栄養バランスを取った上でカロリーコントロールをしなくてはいけないといわれます。その時、回りの幅広い食品、運動の選択から、その人に適切なメニューを究明していくのは課題です。そのような問題に知能計算を用いて最適な見解を見つける研究を私は行っています。
  最近学生と共に、身近な問題として、最適な時間割の自動化作成に挑んでいます。授業時間割の作成は、多くの条件を考慮する必要があります。特に大学の時間割は、多くの科目、講師、教室等の要素が絡んできます。これらを考慮しながら学生が履修しやすい授業時間割を作成することは、多大な労力を必要とするでしょう。そこで、計算知能方法として、遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithms:GA)を用いて授業時間割作成を行うシステムを研究しています。GAでは、集団でみた生物の遺伝、進化をモデルにして、発見的に解を探索します。時間割の集団から最適なものが残ってきたようにシステムの中で自然淘汰のシュミレーションを繰り返し行い最適解を求めていきます。その知能計算方法で、最適な授業時間割作成に費やす労力の縮小、時間の短縮を可能にします。次の図は、GAの流れとその課程で出来た時間割の評価のグラフ化を示しています。

      
             最適化アルゴリズムの流れ↑
             最良度時間生成の推移 →
    

計算知能で、コンピュータが難問の解決や、先の予測もできます!占いではありません!

2013年10月

アリ,ファテヘルアリム. F(国際学群 経営情報教育研究学系 教授)
 1997年3月琉球大学工学研究科(修士課程)電気・情報専攻修了、2000年3月琉球大学理工学研究科(博士課程)総合知能工学専攻修了。
暖かさでは沖縄に負けないスーダンから来ています。むこうでは砂漠がアリ,ジャングルがアリ,川がアリ,人々と大自然との触れ合いが歴史の始まりから続いています。広い国の田舎育ちの私は自然に恵まれた沖縄の北部が大好きです。スポーツならびに音楽が好きです。楽しみながら勉強するのが私の方針です。

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