沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

研究コラム(つながる、つなげる教員の輪)研究

名護の片隅で、情熱とか色々叫ぶ ―研究人生は戸惑いの連続―

林 智昭/国際学部 国際文化学科/掲載日:2025年3月

 15歳の頃、沖縄に憧れた。大学時代、陸路で四国・九州を経由して鹿児島発のフェリーで上陸した(ダウンして北部病院へ運び込まれた)。大学院進学後も、宮古島で自動車免許を取ってみたり(オトーリで潰れた)、修論提出の翌日に那覇空港へ降り立って「沖縄の言葉を研究するには、どうしたら」と相談に突撃研究室訪問したり、石垣空港へ降り立ってフェリーで荒波に酔って日本最南端の夕日が綺麗と噂の波照間島(大学の先輩の言語調査先)に行ってみたり。
 フィールドへ出る予算も方法論もない。博論執筆の傍ら、専業非常勤で授業にいそしむ。博士号取得後の2020年度はコロナ禍、学生・同僚達と励まし合いながらオンライン授業。大学の専任教員を目指して履歴書を送り、面接を受ける日々が続いた。
 転機は、名桜大の公募が出て、運良く採用されたこと。修論提出直後のドライブ時、名護で見かけた看板の「名桜大学」に勤めることになるとは、人生はわからない。
 10年ほど前には沖縄県内各地で文法スケッチが行われていた。現在はしまくとぅばの継承に向けた教材作成と講師育成のフェーズに進みつつある。県の講師養成講座を受け、恩師の恩師の師匠世代の、沖縄におけるエピソードを直接(その弟子筋から)聞いて感極まるなど。
 自分自身の専門を通して、何ができるだろうか。言語は身近かと思いきや、記録するには流動的で捉えがたい。戸惑っている間にも消え去ってしまう。大学生になった20年前、インターネットへの期待からブログが注目されていた。今となっては当時のPCの巨大なサイズが懐かしくなるほどだ。テクノロジーの進歩は目覚ましく、言葉は無力にも思えてくることがある。
 次世代へ言葉を引き継ぐだけでなく、研究を通して明るい未来への道筋を示すことのできる大人でありたいと思う。

研究活動?風景.JPG

2015年2月22日 波照間島にて

顔写真.JPG

林 智昭(国際学部 国際文化学科 准教授)
専門分野:言語学、英語学

【人物紹介】
 専門は言語学(特に意味論・語用論)。言語変化(文法化、語彙化、構文化)の研究が主なテーマ。英文法から、新規表現(RPGメタファー、おじさん構文)等のテーマまで幅広く。学生時代はZ会キャンパスレポーター、「こちら東外大入試課!受験生応援ブログ」等で企画と執筆に明け暮れる。友人に啓発され、四国一周、京都、上高地、下関等への貧乏旅行にもいそしむ。趣味はボランティアの裏方業務。現在、しまくとぅば講師を目指して奮闘中。

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