沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

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【活躍する卒業生】海付太陽さんが外務省専門職試験に合格

掲載日:2026年10月7日受験生向け , 国際文化学科 , 地域の方向け , 活躍する卒業生

名桜大学では数多くの卒業生が社会に羽ばたいています。
「活躍する卒業生」では、様々な分野で活躍する卒業生を紹介します。

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海付 太陽さん
―国際学群 語学教育専攻(2024年3月卒業)愛知県立三好高校出身―
(写真右から1番目)

 本学卒業生の海付太陽さんがこのたび、難関として知られる「外務省専門職試験」に見事合格されました。
 外務省専門職試験とは、語学力や高い専門知識を活かし、特定の言語や地域に関する専門家(外交官)として世界各地の在外公館などで外交実務を担う職員を採用するための難関国家試験です。

 海付さんは本学を卒業後、外務省の在外公館派遣員として在アルバニア日本国大使館に勤務し、外交の最前線で実務経験を積んでこられました。
 在学中は語学教育専攻(現:国際文化学科)のメーガンゼミで学びを深める傍ら、言語学習センター(LLC)やサークル活動にも積極的に参加。多くの仲間と切磋琢磨しながら充実したキャンパスライフを過ごされました。

 高い語学力と専門知識、そしてアルバニアで培った現場経験を糧に挑戦し、見事合格を果たした海付さんにインタビューを行いました。

- 外務省専門職試験合格の一報を聞いて、率直な今のお気持ちを教えてください。 

 率直に、とてもうれしかったです。試験範囲が広く、勉強を進める中でも十分に準備し切れていないという実感があったため、正直なところ、再受験も覚悟していました。その分、合格の知らせを聞いたときの喜びは大きかったです。
 また、在外公館の派遣員として勤務した際に一緒に働いた方々の中には、外務省専門職員として活躍されている方もいました。今回合格したことで、そうした方々とようやく同じスタートラインに立つことができたのだという感慨もあります。
 一方で、合格はゴールではなく、これからさらに学びを深めていかなければならないと感じています。今回の試験勉強を通じて、自分にはまだまだ身につけるべき知識や能力があることを実感しました。これからの研修や実務のほかにも自己研鑽を重ね、外交官としての素養を身につけるべく邁進したいと考えています。


- 試験対策として、特に力を入れて取り組んだことは何ですか。

 特に力を入れたのは、国際法です。初学だったことに加え、国際法は外交官として仕事をする上での基礎的な知識になると考え、重点的に勉強しました。
 特に苦労したのが、慣れない論述形式の試験問題です。勉強を始めたばかりの頃は、専門的な内容を理解した上で、それを一つの答案として書き上げることに難しさを感じ、「こんな答案を自分が書けるようになるのだろうか」と途方に暮れることもありました。
 それでも、単に試験に合格するための知識として覚えるのではなく、実際に外交官になったときに使える知識を身につけようと意識して学びを続けました。今日、国際法に関わるニュースが毎日のように取り上げられています。ニュースを見た際に、「この問題にはこの国際法上の論点がある」と、学んだ知識を実際の事例に当てはめられるようになることを目標にしていました。
 外交官として働く自分の姿を思い描きながら勉強することで、難しい内容にも少しずつ興味を持てるようになり、最後までモチベーションを保って取り組むことができました。


- 在外公館派遣員としてアルバニア大使館に勤務されたご経験は、試験勉強や合格にどのように活きましたか。

  在外公館派遣員としての経験は、試験対策だけでなく、外交官として働く自分の姿を具体的に思い描く上で、とても大きな意味がありました。実際の外交官がどのような仕事をしているのかを間近で見ることができ、面接試験でも、自分が将来どのような仕事をしたいのかを具体的に伝えることができました。
 アルバニアでは、日本からの要人来訪時の接遇や便宜供与、大使館の庶務などが主な業務でしたが、小規模な大使館だったこともあり、文化広報など幅広い業務にも携わることができました。実際の外交実務に触れた経験は、試験勉強へのモチベーションにもつながりました。
 また、アルバニアは、歴史的にもさまざまな民族や宗教が交わってきたバルカン半島に位置しています。現在のヨーロッパの国際関係を考える上でも学ぶことが多く、さらに国際法の重要判例の舞台でもありました。現地で生活しながら、大学や試験勉強で学んだことが実際の世界とつながっていく面白さを感じられたことも、大きな財産になりました。



- 現地での勤務を通じて、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

 特に印象に残っているのは、現地の文化省と協力して開催した「日本文化週間」です。アルバニアは、現地に住む日本人が非常に少なく、日本文化に触れる機会も限られているため、日本発信の面で大使館が大きな役割を担っています。私自身も折り紙のワークショップを開催し、現地の子どもたちと交流しました。そのほかにも、お茶や日本食、映画など、現地の人にとってあまり馴染みのない日本文化を紹介しました。最初は日本についてあまり知らなかった方々が、実際に文化に触れて楽しみ、興味を持ってくださる姿を見ることができたのは、とても印象に残っています。日本を身近に感じてもらい、親しみを持ってもらうことで二国間関係の醸成を図る外交を目の当たりにしました。
 また、仕事以外では、ヨーロッパならではの環境も印象に残っています。アルバニアからは周辺国への移動がとても容易で、2年間の勤務中に30か国以上を訪れることができました。週末に気軽に隣国へ出かけ、全く異なる文化に触れられるのは、とても貴重な経験でした。おいしいイタリア料理を食べるためだけに日帰りでイタリアへ行ったこともあります。


origami.jpg折り紙ワークショップの様子


- 名桜大学在学中、メーガン先生のゼミでの学びが、今のご自身にどのように役立っていますか。

 先生との会話やゼミでの話し合い、発表、そして卒業論文の作成まで、英語を使って取り組んだ経験は、在外公館での勤務でとても役立ちました。
 それまで海外に長期間滞在した経験はありませんでしたが、アルバニアでの勤務を始める際にも、英語で仕事をすることに大きな戸惑いはありませんでした。大学時代から英語を学ぶだけでなく、実際に英語を使って考え、発表し、相手とやり取りする経験を積めたことが大きかったと思います。
 また、外国語で文学を理解するには、言葉そのものだけでなく、その背景にある文化や社会を理解することも大切です。英語の詩を原文で味わう楽しさを知ることができたほか、英語圏の文化やアメリカ社会について理解を深めるきっかけにもなりました。こうした経験は、英語を使って仕事をする上でも、単に言葉を理解するだけでなく、その背景にある文化まで考える姿勢につながっていると感じます。


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メーガンゼミ集合写真


- 学生時代、言語学習センター(LLC)やサークル活動ではどのようなことに取り組んでいましたか。当時の経験が今に活きていると感じることはありますか。

  LLCでは、英語チューターとして授業課題のサポートや英会話のチュータリングを行ったり、英語に関するワークショップを開催したりしました。また、自分自身も英会話チュータリングを積極的に利用しており、英語力向上に大きく役立ったと感じています。加えて、志の高いチューター仲間たちと一緒に活動できたことは、学生時代を通じて高いモチベーションを保つ支えになりました。
 サークル活動では、国際ボランティア研究会に所属し、名桜大学で開催された学会の運営に携わりました。私はパネルディスカッションの企画を担当し、被災地や難民キャンプなどで建築を通じた国際協力に取り組む建築家・坂茂さんの事務所へ登壇を依頼しました。企画や渉外は苦労も多くありましたが、自分の関心から出発し、何のつながりもないところから実現できた経験は大きな自信になりました。
 こうした企画力や調整力、相手と信頼関係を築きながら物事を進める力は、大使館での文化事業にも活かされたと感じています。そして、それは外交に限らず、どのような分野でも重要な力なのではないかと思います。


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LLCでの集合写真

online_conference.jpgオンラインで実施した学会の様子

- 外務省入省後は、どのようなキャリアを歩んでいきたいとお考えですか。

 派遣員時代に携わった文化広報と、大学時代から関心を持って学んできた開発協力の分野で、専門性を高めていきたいと考えています。
 特に開発協力については、JICAの活動が注目されることが多いですが、外務省も開発協力に関する政策立案から、在外公館でも相手国政府との調整など、重要な役割を担っています。アルバニアで勤務した際、地方では消防車が不足するなど、基礎的なインフラが十分でない地域もありました。そこで、日本から供与されたたった一台の機材が、地域の人々の生活を大きく支えている場面を実際に目にしました。
 開発協力は単なる支援ではなく、相手国との信頼関係を築き、日本の存在感を高める外交の手段にもなります。複雑化する国際情勢の中で、日本が長年培ってきた開発協力の強みを活かしながら、相手国との信頼関係を築き、それを日本の国益にもつなげられる外交官になりたいと考えています。


- 外務省専門職を目指す後輩や、在学生に向けてメッセージをお願いします。

 外務省専門職を目指す方には、ぜひ在外公館派遣員にも挑戦してほしいと思います。私自身、派遣員としての2年間は、海外生活だけでなく、社会人としての仕事の進め方や人との関わり方など、多くのことを学ぶ貴重な機会となりました。在学中でも応募できますので、海外や外交に関心のある方には、ぜひ挑戦してほしいです。
 また、私は「英語を究める」という想いのもと大学へ入学し、コロナ禍など思うようにいかない時期もありましたが、学びを続け、目標としていた英検1級合格につなげることができました。初めに抱いた想いを大切に、歩み続けることが今につながったと感じています。
 大学には思わぬつながりや機会があるものです。上述の学会の企画では先生に相談したことから、何のつながりもなかった方々への登壇依頼を実現できました。興味を持ったことがあれば、積極的に機会を探してみると案外すぐに答えが返ってくることが多いのかと思います。
 沖縄で学んだ経験は、外の世界に出てからこそ、自分ならではの個性として活きてくるものだと思います。皆さんにも希望を持って大きな夢を描き、その実現に向けて一歩ずつ歩んでいってほしいです。



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