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【スポ健 COLUMN】第16号『オリンピック招致活動のいま』

掲載日:2019年7月16日お知らせ , スポーツ健康学科 , 受験生向け , 在学生向け

 2026年冬季オリンピックの開催地が先日、国際オリンピック委員会(IOC)総会で決定されました。イタリアのミラノ・コルティナダンペッツォが、スウェーデンのストックホルム・オーレをIOC委員の投票で上回り、開催地に選出されました。招致活動から撤退した都市が相次いだことから、イタリアとスウェーデンの決選投票となっていました。国内の開催支持率が55%のスウェーデンに対し、イタリアは83%に上ったことが勝敗に影響したとバッハIOC会長は述べました。
 2026年冬季オリンピックの招致活動は札幌市も行っていましたが、結果的に招致レースから撤退しました。2018年9月に起きた胆振東部地震の被害が影響しましたが、地震がなかったとしても、札幌市は撤退の意志を固めていました。市民の招致熱が高まらず、地元では2030年の冬季オリンピック招致に切り替えるべきだとの意見が大勢を占めていたためです。招致から撤退した都市は札幌市だけではありません。6月にはスイスのシオンが、7月にはオーストリアのグラーツが招致を断念しました。これまでの撤退事例と同様に、住民が高騰する開催経費に反発したためです。
 2017年9月に開かれたIOC総会では、2024年夏季オリンピックがパリ、2028年夏季オリンピックがロサンゼルスで開催されることが決定しました。当初、2024年大会にはパリとロサンゼルスを含む5都市が立候補していましたが、巨額の費用負担に対する住民の反発から撤退が相次ぎ、パリとロサンゼルスのみが残る形になりました。従来通りにオリンピック開催の7年前に開催地を選ぶ手続きを進めた場合、敗れた側の都市が2028年大会に挑戦しない可能性もあったため、IOCは2都市を振り分け、28年大会の開催都市も決める方針に切り替えたと報じられました。
 莫大な人的・物的資源が投入され、負の遺産を生むオリンピックの存在意義は揺らいでいます。その点に気づいたからこそ、国や都市がオリンピック招致レースから撤退する事例が相次いでいます。
 学生を含め、スポーツ関係者と話をすると、上記のような事実を全く知らなかったという反応が目立ちます。また、2026年冬季オリンピックの開催地だけでなく、2024年と2028年の夏季オリンピック開催地すら初めて知ったという声も少なからず存在します。様々な要因が考えられますが、マスメディアで取り上げる機会が多くはない点があげられます。一方で、上述の内容は、新聞(全国紙)の記事を通して私は把握しました。各都市が招致レースから撤退した経緯や立候補都市が減っている現状は、正確に伝えられています。しかしながら、これらの内容は、私が積極的に記事を調べることによって把握出来たのであって、受け身の姿勢でマスメディアの報道にふれても、決して知り得ることは出来なかったと言えます。
 東京オリンピックを控え、「オリンピックの不都合な真実」を出来る限り明るみにしたくないという思惑が、テレビを中心にマスメディアにはあるかもしれません。なぜなら、東京オリンピックの盛り上がりに水を差し、テレビでの視聴率やスポンサーの獲得に影響が出ることも考えられるためです。
 このコラムを書いている際に、2016年リオデジャネイロ五輪招致を巡る買収疑惑で、元知事が計200万ドルの賄賂を支払ったと、担当判事に証言したことが報じられました。また先月、日本オリンピック委員会(JOC)の会長であった竹田恒和氏は、東京五輪招致の際に不正な支出を行ったという疑いを持たれ、退任しました。この件については、現在もフランス検察当局が捜査をしています。長年にわたって、オリンピック招致においてはスキャンダルが続発しています。
 2030年の冬季オリンピックの招致活動を札幌市は行うべきであるのか、もしくは、日本に暮らす私達もそれを支持すべきであるのか、スポーツ関係者には特に重要な問いであると言えます。スポーツ健康学科では、オリンピックを多様な観点から分析し、考察する授業も行っています。

スポーツ健康学科 大峰 光博

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