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【スポ健 COLUMN】第14号『授業の面白さと失言』

掲載日:2019年2月6日お知らせ , スポーツ健康学科

 昨今、テレビでのタレントの発言がインターネット上に取り上げられ、厳しい批判や非難にさらされることが日常となりました。弁解の余地もない発言もある一方で、前後の文脈を鑑みれば、なんら問題ではないケースも存在します。しかしながら、発言の一部分だけが切り取られ、その切り取られた発言が独り歩きし、その後のタレント人生に大きな影響を与えるケースもあります。この点は、テレビでのタレントに限らず、その他多くの著名人も同様です。私はタレントではなく、また著名人でもありませんが、このような現象に強い問題意識を持っています。なぜなら、大学の授業や講演会において、失言をする可能性と常に隣り合わせにあるためです。
 視聴者がテレビに面白さを求めているように、面白さの質は違えど、児童・生徒・学生も学校の授業に面白さを求めます。授業では学習内容を保障しつつ、面白さを追求することが教師の責務です。もちろん、私自身の授業にいつも面白さが保障されているわけではありません。また、面白さが保障されずとも授業は成立するものであり、面白さや楽しさは授業を成立させる上での必要条件ではありません。しかしながら、「良い」授業を成立させる上では、面白さは必要条件であると言えます。
 学習内容を保障しつつ、授業に面白さを追求するためには、綿密なプランを作成する必要があります。しかしながら、プラン通りに授業を行ったとしても、必ずしも成功するとは限りません。なぜなら、児童・生徒・学生の学力、モチベーション、健康状態、さらには、教師の日常における言動などが、授業に大きく影響するためです。そのため私は授業に際して、綿密なプランを立てつつも、そのまますべてを実行することはほとんどありません。学生の反応や自身の突然のひらめきによってプランを変更します。そのようなプランの変更が、授業に面白さを生み出すと考えています。しかしながら、プランにない変更であるため、誤った内容を伝えたり、失言する危険性を常に伴います。この点については、タレントや著名人に向けられる批判と同様に、後々のことや今のご時世を考えて発言すべきという批判があるかもしれません。しかしながら、授業は生き物であり、間(タイミング)が非常に重要です。発言の間が悪ければ、いくら内容(教材)が面白くとも、授業そのものはつまらないものになってしまう可能性があります。
 テレビでのタレントだけでなく、著名人がパーティーや講演会において、失言を行ってしまうケースがあります。特に、聴衆に退屈な思いをしてもらいたくない、言い換えれば、楽しんでもらいたいという思いが強い人ほど、失言のリスクが高まります。反対に、聴衆がどれだけ退屈をしていようとも意に介さない人であれば、失言のリスクは低くなるでしょう。私は自身の授業において、学生が授業に退屈している様子を意に介さないことは出来ません。上述のように、授業に面白さを持たせることが教師の責務であると考えているためです。ただ、本音のところではこの点に加えて、自身のプライドや自尊心によるところが大きいと言えます。学生が授業に退屈している様子を見ると、プライドが傷つき、自尊心は低下します。
 今後の教育界にはより一層、AIの波は強まるでしょう。情報量や情報の正確さであれば、教師はAIには勝てません。ただ、どれほどAIが進化しようとも、授業の面白さや笑いの観点で人を追い越すのは難しいと感じています。授業に面白さや笑いを生み出すことが出来るからこそ、教育を人が担っていく意義があると考えます。その際に教師は、失言を避けるように心がけつつも、失言を過度に恐れない姿勢が求められるのではないでしょうか。もちろん、失言に厳しく、許容しない社会が今後さらに加速していけば、このような姿勢を教師に求めるのは酷であると言えます。いずれにしても、授業に面白さを与えられる教師が今後より一層、社会から求められるでしょう。
 スポーツ健康学科では、保健体育教師が面白い授業を展開する上で必要となる教授技術を、学生が獲得してもらう授業を行っています。

スポーツ健康学科 大峰 光博

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