沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)やんばるの豊かな自然の中で国際的教養人を育成します!

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平成30年度 名桜大学入学式 学長式辞

掲載日:2018年4月9日学長室から

 本日ここに、学群・学部学生507人、助産学専攻科6人、大学院生12人の、計525人を迎え、平成30年度入学式を挙行するにあたり、新入生の皆さんならびに御家族の皆様方に対し、心からお慶びを申し上げます。新入生の皆さんのこれまでのたゆまぬ努力と、皆さんを支えてくださった御家族ならびに関係者の御苦労に対し、あらためて敬意を表したいと思います。また、本日は公務ご多用にもかかわらず、入学式にご臨席賜りました本学の設立団体であります、北部広域市町村圏事務組合理事長の渡具知武豊名護市長をはじめ、北部12市町村の市町村長の皆様、議会議長および議員の皆様、そしてご来賓の皆様に、名桜大学学長として厚く御礼を申し上げます。

 さて、本日入学を許可された皆さん、ご入学まことにおめでとうございます。本学は、1994年、沖縄本島北部12市町村と沖縄県により公設民営の大学とし設立され、2010年4月に全国で80番目の公立大学として生まれかわりました。名桜大学には、国際学群、人間健康学部、看護学科助産学専攻科、そして大学院は国際文化研究科と看護学研究科の2つの修士課程があります。助産学専攻科は去年の4月に開設され、今年の3月に第1期生が修了しました。また大学院は、さらなる充実を目指して、現在再編を行っている最中です。

 本学は、創立時から「平和・自由・進歩」を建学の理念として掲げてきました。これは、沖縄の歴史や経験に根ざした理念です。いうまでもなく、これはまた人類が普遍的に共有する理念でもあります。21世紀の最初の20年が過ぎようとしていますが、本学のこの理念はますます輝きを放つようになってきていると言うべきでしょう。私たちは、戦乱の20世紀が終わり、21世紀は平和で穏やかな時代になることを願い祈ったのでありますが、いま、すでに私たちの希望や祈りに逆行するような状況が続いています。世界の政治や経済や文化の複雑かつダイナミックな動きの中で、私たちはいかに思考し行動すべきか、ということが根本から問われるようになっています。

 このような時代背景の中で、大学はどのような人材を育成すべきか、あるいは大学はどのような役割を果たすべきか、ということが問われるようになってきました。本学はこのような問いに応えるために、2010年の公立大学への移行を契機として従来の教育のありようを根本から見直し、特色ある「リベラルアーツ教育」を構築し、国際基準のカリキュラムを充実させるよう、全学で対応してきました。

 学群と学部のカリキュラムについては、それぞれのオリエンテーションで詳しい説明がありますので、ここでは本学のリベラルアーツ教育についてすこしお話しします。リベラルアーツ教育は、人文科学、社会科学、自然科学を幅広く学び、批判的かつ論理的な知識体系を身につけるとともに、自立し創造的に思考を深め、知的誠実さを実践することを目標とする教育です。このようなしなやかな知の訓練を経て、私たちは自らや他者をより深く理解し、明晰な文章を書き、論理的で説得力のある発言を行い、地域社会を理解し、グローバルな視野を獲得できるようになります。さらに、このような学びの中で、私たちは寛容な精神を身につけ、世界の「平和」に貢献し、自らと他者の「自由」を尊重し、社会の「進歩」に参画できるようになります。そして、このような学びや教育が、究極的には円満な人格の育成を目標としていることは言うまでもありません。

 名桜大学のカリキュラムは普遍に繋がる学習をしっかりと行うよう設計されています。本学は、特に(1)(母語を中心とする)文章力、(2)数理的な判断・分析能力、(3)外国語運用能力、(4)ICTリテラシーをリベラルアーツ教育の4つの基本的なアカデミックスキルと考えています。そして、授業と連携しながら学生がこのような力を身につけることができるよう、ライティングセンター、数理学習センター、言語学習センターを設置しています。この3つのセンターでは、学生チューターを中心とした学習支援を行っていて、全国的にもあまり例のない、本学の大きな特色となっています。

 名桜大学では、リベラルアーツ教育と専門教育を有機的に統合し、学群・学部学生の4年間の教育を行います。例えば、新入生必修の「大学と人生」や「アカデミックライティング」では、国際基準のルールに従って書かれた論文を学期末に提出することになっています。本学ではこのような学びを卒業論文執筆に繋げることを目標にしています。ですから、名桜大学のリベラルアーツ教育で学生が身につける「教養」は単なる飾りもの、あるいは知的装飾物ではありません。文章力、数理分析能力、外国語力、ICTリテラシーを含む「教養」は、きわめて実践的な能力です。このような能力や思考力は、大学を卒業した後も、皆さんが長い人生の中で自立して学んでいく際に大きな力になります。21世紀の大学においては、リベラルアーツ教育あるいは「教養教育」は、新たな知を創造するための教育領域として再評価され、高等教育の重要な要素の一つとなりました。ですから、新入生の皆さん、名桜大学ではまずは学びのための基盤をしっかりと構築してください。

 大学は、人類がこれまで蓄積してきた知の体系を批判的に検討し、時代の要請に応えるために新しい知識を創造する場であります。学生は、人類の知の体系から学びながら、同時に自らも新しい知の創造に参画するために、自らを磨きます。大学は、また、社会に貢献する人材を教育し、インパクトのある地域貢献や国際貢献をすることを目的として存在しています。名桜大学はそのような責任を担うことを宣言している大学です。 

 大学での学びに限界はありません。トーマス・ウルフ(Thomas Wolfe)という20世紀初頭に活躍したアメリカの作家がいますが、その短編の一つに図書館を貪り食いたいと欲望する大学生の主人公が登場します。新入生の皆さん、皆さんは高校では「生徒」と呼ばれていましたが、これは「学校で教育を受ける者」を意味します。名桜大学では、これから皆さんは「学生」と呼ばれます。これは「学問をしている人」を指す言葉です。皆さん、本学では、「学生」として、真摯に、深く学んで自分を磨き、自らの人生と激動の予感に満ちた21世紀の社会と世界に備えてください。大学や社会や世界では紋切り型の言葉や思考は通用しません。大学は自らの言葉を発見し、自らを発見する場所です。そして、また、皆さんには本学で真理を追究する中で自らをエレガントに律することも学んでいただきたい。高い志を持って大学で学んだのであれば、後悔することはなにもありません。

 2018年、学群、学部、専攻科、大学院に入学した皆さんが、名桜大学の新しい知の世界で躍動することを期待して、学長式辞といたします。入学、まことにおめでとうございます。

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