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【スポ健 COLUMN】第6号『運動部活動の連帯責任(1)』

掲載日:2017年6月27日お知らせ , スポーツ健康学科

 第4号と5号では、スポーツにおける体罰や暴力の問題についてふれ、特に、暴力をふるう指導者に焦点をあてた内容でした。しかしながら、スポーツにおける暴力事件は、指導者が主体となって顕在化するものばかりではありません。生徒間においても存在します。特に、運動部活動では、いじめを含む暴力事件は後を絶ちません。事件が発覚した際には、当該部活動は自主的に活動を休止する場合もありますし、また、学校から活動を停止させられる場合もあります。さらには、加入しているスポーツ団体から、対外試合禁止という処分を受けることもあります。特に高校野球においては、いくつもの学校が部員の暴力事件だけでなく、飲酒や喫煙によって、学生野球協会から対外試合禁止処分を課されてきました。本号と次号では、このような連帯責任を伴う対外試合禁止処分に焦点を当てたいと思います。

 日本学生野球協会は今年に入って、1年生部員7人に暴力を振るった2年生部員8人が所属する本庄第一高校に対し、約5カ月間の対外試合禁止の処分を課しました。同校では、2年生1人が飲酒、喫煙も行っていました。また、クラスメートへのいじめを行った3年生部員3人が所属する米子北高校に、日本学生野球協会は約2カ月間の対外試合禁止の処分を課しました。

 『体罰の研究』や『校則の話』の著者である坂本秀夫氏は、高校野球において連帯責任を課すのは前近代的な支配関係が残っているためであり、野蛮な現象であると主張しました。自身の行為にだけ責任を持ち、他人の行為には責任を持たないことが近代法の常識であると指摘します。日本弁護士連合会(日弁連)もまた、スポーツ界でみられる連帯責任の考え方は、競技者の権利侵害につながると指摘しています。このように、連帯責任を課すことには否定的な意見が少なくありません。このような風潮に呼応するように、近年の高校野球では、複数部員による組織的な関与が認められない場合、原則として処分は当事者にとどめられ、チームの責任は問われない方向にシフトしています。

 しかしながら、連帯責任は、前近代的な支配関係の残存であり、野蛮な現象であると切り捨てることが出来るでしょうか?不祥事を防止するためには、対外試合禁止処分を課すことが必要であるといった意見や、高校野球は教育の一環であることから、対外試合禁止処分を課すことも必要であるといった、連帯責任を肯定する意見も存在します。

 次号では、政治哲学領域における連帯責任論を参考に、スポーツにおける連帯責任について考えていきたいと思います。

スポーツ健康学科 大峰 光博

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