沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

最新情報

ピアエデュケーション(Peer Education)IN 北部農林高校

掲載日:2013年12月27日お知らせ , 教育・研究活動レポート , 看護学科

 沖縄県立北部農林高校(養護教諭:上地悦子先生)から、「ピアエデュケーション活動をしてほしい」との依頼を受け、看護学科生の西江志乃さん(4年次、沖縄県立浦添高校出身)、三島 千尋さん(4年次、兵庫県立芦屋高校出身)、長岡茉由子さん(3年次、北海道滝川高校出身)、東恩納加奈さん(2年次、沖縄県立具志川高校出身)、安井雅子が、ピアリーダーとして徳橋知子先生(看護学科 講師)と共に参加しました。
 平成25年11月26日(火)、北部農林高校にて在校生を対象にした性に関する学習会が開催されました。学習会は、前半と後半に分かれており、前半は高校生によるエイズに関するクイズや、上地先生による性感染症についての話がありました。後半は、2年生を対象に私たち5人がピアリーダーとしてディスカッションに参加しました。ディスカッションでは、あらかじめ作成した自身のライフステージを発表しながら、①生殖性 ②連帯性 ③快楽性の3つの性をもとに、性交から妊娠に至るまでの過程における弊害について話し合い、その成果をグループごとに発表してもらいました。
 参加した生徒からは、HIVとエイズの違いを初めて知りました(1年生)、エイズや性感染症者のことを差別せずに接していきます(2年生)、間違えた捉え方をしていたので、きちんと理解できて良かったです(3年生)、差別偏見のないようにしたいです(4年生)等の感想がありました。

以下、ピアリーダーとして参加した5人の感想を紹介します。


 今回のピアエデュケーションを通して、私自身多くの刺激と学びを得ることができました。「性」という深い内容を、ピアリーダーという立場で、他者の話を引き出せるような関わり方や高校生の興味関心を引く関わり方はどのようなものなのか、この活動に携わる中で様々な考えを巡らせてきました。しかし、実際の高校生を前にすると、考えていた様に事は進まず、実践を通した上でさらに内容や方法を深めていくことの必要性を感じました。実践を通しての私の反省点は、私自身が求める答えを出してもらうように促し過ぎたこと、メンバーの話の内容が脱線した際にうまく本題に引き戻せなかったこと等が挙げられます。この反省点から、テーマに沿いながら他者の思いや考えを引き出し、かつ必要に応じて正しい情報を提供し、良い方向へと引っ張っていくことの難しさを学びました。

 今回の反省点と学びを基に今後一層勉強に励み、新たにチャンスがあれば是非挑戦したいと思います。また、この学びは来年度の教育実習において、また将来養護教諭として児童生徒と関わる際にも生かしていきたいと思います。今回は、ご多忙の中私たちにこのような貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。(西江 志乃)

 今回、初めてピアエデュケーションに参加させていただき、私自身も性についての理解を深めることができました。性についてピアカウンセリング手法を用いて話を進める中で、生徒の思いを引き出し、生徒自身が望ましい意思決定や行動変容ができるように導いていくことが性の自己同一性を確立していくことにもつながると感じました。ピア(仲間)と共に考えることで多様な価値観への気づきにもなり、ピアエデュケーションがもたらす効果は大きいと感じました。(三島 千尋)

 ディスカッションの途中に話が脱線することが多く、最後の発表を聞いた時に「うまく伝わらなかったのかな?」と感じました。しかし、「もし自分や彼女が妊娠したら」という問いかけで、真剣に意見交換をする機会を持つことができたので、少しでも考えるきっかけとなり、ピアエデュケーションの意味があったのではないかと思いました。(長岡 茉由子)

 今回、ピアエデュケーションに参加して、私自身も性=生について学ぶことができ、高校生と活動することが面白いと感じました。自分が想像していたことや、準備してきたことと違う答えが高校生から返ってきたとき、「そう考えるんだ!」と驚いたり、またしっかりした自分の考えを持っていること等、高校生の個性や感性を知ることができ良かったです。ただ、グループワークの中で、男子と女子の意見を交えることができなかったことが課題でした。準備から実際の活動まで初めてのことが多く、ピアエデュケーションを経験することができて、本当に勉強になりました。ありがとうございました!(東恩納 加奈)

 私のグループは女子3人のうち1人がシングルマザーの10代でした。妊娠や中絶におけるリスクについて話し合う時、はやり、10代で妊娠、出産した彼女の人生を否定しているようでとても複雑な気持ちになりました。また、彼女の空気感を感じ、ディスカッション開始後20分には他の女子2人も話しに入ってこなくなりました。結局、グループでの話はまとまらず、彼女たちを傷つけただけかもしれないと思い落ち込みました。今回の活動を通して、定時制等での活動では、もっと個々に対応したきめ細やかな配慮が必要だったように感じました。そして、仲間として問題意識を共有しきれなかったことが私の課題となりました。また、北部地域でのピアエデュケーション活動の必要性を強く感じました。(安井 雅子)


報告:安井 雅子


ピアエデュケーションに参加したメンバー(左から、三島さん、長岡さん、徳橋先生、西江さん、東恩納さん、安井さん)

PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Readerが必要となります。お持ちでない方はAdobeよりAdobe Readerをダウンロードしインストールしてご利用ください。
掲載されている内容、お問合せ先、その他の情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更となる場合があります。また掲載されている計画、目標などは様々なリスクおよび不確実な事実により、実際の結果が予測と異なる場合もあります。あらかじめご了承ください。

Share!

ページトップへ