沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

研究コラム(つながる、つなげる教員の輪)研究

世界屈指の自然と文化を活かしたグローカルな地域づくりと人材育成で未来を拓く

遠矢 英憲/人間健康学部 スポーツ健康学科/掲載日:2023年3月

 私は野外教育(自然体験教育とも言われます。)を中心として、これからの社会で必要となる能力を育成するための教育に関する実践研究を行っています。
 現在は急速な情報技術革新や新たな価値観の出現により、先行きが不透明で未来の予測が難しいVUCA「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の時代とも言われています。こういった時代に活躍できるという人は、自ら能動的に学び、環境変化への対応力を持っている人です。教育においてはこのような能力を育成していかなければなりません。
 野外教育はこのような能力を育成することを得意とする教育法です。私たち現代人が日常を過ごしている安定した人工環境に対して、自然環境はVUCAそのものであるからです。自然環境で活動するということはVUCAな環境に適応するということを学ぶことにつながるのです。
 しかしながら、何も準備せずに自然の中に人々を放り込むのはあまりに過酷で危険です。人工環境は人間に合わせて「安心、安全、快適、便利」に作られていますが、自然環境はそうではありません。人間側の都合などお構いなしです。
 そこで、野外活動では自然だけでなく、文化の力も借りて活動します。文化には長い歴史を掛けて人類が自然を理解し、自然を利用し、自然と親しみながら活動する知恵が凝縮されているのです。
 そして、名桜大学が位置する沖縄やんばる地方には、世界屈指の自然と文化が存在しています。学生や地域の子どもたちはもとより、社会人や県外、国外の方々も、このやんばるで感動を味わい、成長し、人生を豊かにして欲しいと願っています。その実現に必要となる安心安全な教育方法、教育システムの開発と実践の研究に日々取り組んでいます。

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遠矢 英憲(人間健康学部 スポーツ健康学科 上級准教授)

【専門分野】
野外教育学
【取り組み】
 やんばるには優れた自然と文化が存在しています。しかし、それだけでは効果的な野外での教育効果を十分に上げることはできません。
 現在は、地域の学校や組織、県内外・国内外組織等のステークホルダーと産官学民連携を深めて、ハード(施設、用具等)面とソフト(プログラム、指導者、運営組織、ICTシステム等)面の両面から優れた野外教育環境を整備する活動を教育・研究面から取り組んでいます。

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