名桜大学では数多くの卒業生が社会に羽ばたいています。
「活躍する卒業生」では、様々な分野で活躍する卒業生を紹介します。

先家 茉子さん
(一社)わかいふぁーむ 理事
―国際学群 語学教育専攻(2016年3月卒業)広島県・安田女子高校出身―
名桜大学国際学群語学教育専攻(現:国際文化学科)を2016年3月に卒業、同大学院国際文化研究科を2022年3月に修了し、現在、故郷広島県の福山市で「(一社)わかいふぁーむ」の理事などを務めながら、農業と国際協力をつなぐ活動を精力的に行う先家茉子(せんげ まこ)さん。学生時代から現在に至るまでの歩み、現在とその先に見据える夢を語っていただきました。
-名桜大学への入学の決め手は?
高校時代はソフトボールに打ち込み、インターハイに3年連続で出場を果たしました。当時はスポーツづけの毎日で、将来は体育の教師になろうかな、なんて考えていました。しかし、高校2年生の英語の授業でアフリカの国際協力に携わる医師の話を読んだことや、カンボジアに学校を建てる映画を観たことで感銘を受け、「国際協力を仕事にしたい」と強く思うようになったんです。そこから目標を英語の先生に変え、「国際」と「英語」の両方を学べて教員免許も取得できる名桜大学への進学を決めました。
-在学中に印象に残っている出来事は?
大学から飛び出して多くの経験を積むことに力を入れていました。1年次の担任の先生に「途上国に行きたい」と相談したのがきっかけで、後に恩師となる小川寿美子教授に出会いました。先生に導かれ、ラオスでのスタディーツアーやザンビアへの卒業生訪問、イギリス留学など、大学での学びと海外での実践を繰り返す日々でした。特に、先生の「道を作る前から悩むのではなく、まず道を作ってみよう」という言葉は今も私の行動の指針になっています。また、初めて一人でインドネシアへ旅したことも大きな経験となり、その後のインドネシアとつながる私の人生の歩みの出発点になりました。
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| 海外スタディツアーで訪れたラオスが 初めての海外経験 |
ザンビアで出会った子どもたちと | インドネシアとのつながりの出発点となった 大きな経験も在学中の出来事 |
-卒業後の進路決定にあたり学科の学びで特に影響を受けたところは何ですか?
「社会学」や「国際ボランティア論」といった、異なる価値観を持つ人びとの背景を学ぶ講義が好きでした。留学や海外の方との交流を通じて、言語はあくまでコミュニケーションの「ツール」でしかなく、そのツールを使って何を話すかという「中身」の方が大切だと痛感しました。また、就職を考えるにあたって、海外では日本のような「新卒採用」という考え方が一般的ではないと肌で感じたことも大きかったです。この経験から、卒業後は年齢などを気にせず、まずは海外で働こう、と自然に思うようになりました。
-これまでの歩みを教えてください。
卒業後は、まず日本語パートナーズとしてインドネシアの高校で8カ月間、日本語を教えました。その後、沖縄のNPO法人で事務局次長としてフィリピンのアグリエコツーリズムを通じた地域おこしプロジェクトなどを担当しました。
そんな折、仕事で関わる同世代のフィリピン人、インドネシア人の多くが修士や博士を取得していることに感化され、大学院進学を考えるようになりました。このままキャリアを積むか、大学院に行くか、二者択一の悩みを抱え名桜大学へ相談に伺った時、「Why not both?(なぜ両方やらないの?)」と言われたんです。その一言で私の迷いは消え、「わかりました。じゃあ、2つします!」と即答しました。 
インドネシアの高校で日本語教師を経験
-その直後、新型コロナウイルスが猛威をふるいだした......
ええ。大学院に入学した2020年4月、コロナ禍で授業が全てオンラインになりました。私は、仕事が減ったこの期間をチャンスととらえ、前期で単位をほとんど取得しました。2年次には広島に戻り、リモートで授業を受けながら「若井農園」での活動を始めました。 現在は、インドネシア語のスキルを生かし、在日外国人向けのアジア野菜を栽培・販売する事業「ワカイファーミー」や、女性農業者のグループ「びんご農業女子会」を立ち上げるなど、農業経営に力を入れています。2024年には「(一社)わかいふぁーむ」を設立し、JICAの事業でインドネシアでのプロジェクトも始めました。
今、特に考えているのは、これから増えるであろう外国人人材の家族、特に日本に来て社会的に孤立しがちな「奥さん」たちのことです。彼女たちが集い、一緒に農業をしながら働ける「ママコミュニティ」のような場所をこの農園に作りたい。これは、外国人を単なる労働力としてではなく、共に未来を考えるパートナーとしてとらえるモデルケースにもなると思っています。日本で技術を学んだ彼らが、母国に帰ってからどうその経験を生かせるか、というところまでつながる仕組みを作りたいです。
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| インドネシア人の夫ファーミさん(左)、 若井農園代表の若井さん(中央)と 共に始めたワカイファーミーの活動 |
地元の高校生への農業教育や 大学と連携した奨学金プロジェクトも実施 |
日本で暮らす外国人家族にとって 社会とつながるコミュニティとなることを目指して |
-名桜大学での経験が生かされていることはありますか。
「キレイな英語を話すことよりも、拙くても内容のある会話をする方が大切だ」という大学時代に得た学びは、国籍を問わず多くの人びとと協働する今の活動の基盤になっています。また、自ら先生や留学生と積極的に関わり、海外へ飛び出していった行動力が、現在のフットワークの軽さや、日本にいながらインドネシア語が話せるようになった経験にもつながっていると思います。
-名桜大学の受験生や在学生へメッセージをお願いします。
恩師に言われた「(交換留学生の選抜に)受かってもないのになんで悩んでるの?」という言葉があります。道を自分で作る前からあれこれ悩むのではなく、まず行動を起こし、道を切り拓くことで、入学当初には思いもよらなかった未来へ進むことができるはずです。名桜大学には、学生の「やりたい」という思いに応えてくれる先生方がたくさんいますし、机上の空論で終わらせず実践を通して学べる最高の環境があります。ぜひその環境を生かして、様々なことにチャレンジしてほしいです。大学に入学してからが本当のスタートです!





