名桜大学では数多くの卒業生が社会に羽ばたいています。
「活躍する卒業生」では、様々な分野で活躍する卒業生を紹介します。
島袋 完俊さん
リーガロイヤルグラン沖縄(2011年入社)総支配人
― 国際学部 観光産業学科(1998年3月卒業)沖縄県立那覇西高等学校 出身 ―
名桜大学国際学部観光産業学科を1998年3月に卒業し、現在リーガロイヤルグラン沖縄の総支配人を務める島袋完俊氏に、学生時代から現在に至るまでの歩み、そして後輩へのメッセージを伺いました。
Q.名桜大学への入学の決め手、入学前の印象は?
高校時代から将来はホテルで働きたいという漠然とした思いがありました。卒業後の進路を考えている中、観光について学べる大学が開学するということで、名桜大学観光産業学科への入学を決めました。名桜大学が開学されて間もない頃だったこともあり、良い意味で歴史や伝統もなく、フレッシュで新しい挑戦ができる大学なのではないかという印象を抱いて入学しました。
当時は地元で進学することを考えていました。とはいえ、名桜大学は家からは距離があり、一人暮らしをすることになりました。振り返るとこの選択が、自立する良い機会になったと思います。私は名桜大学の第1期生ですが、当時は大学周辺の施設もまだ十分には整っておらず、「ここに本当に大学があるのかな」と思うような環境でした。正門までの道も曲がりくねった細い道だったと記憶しています。
Q.在学中に印象に残っている出来事はありますか。
私が入居した大学近くの建物には多くの名桜大生が集まっていました。初めて一人暮らしを経験し、いろいろと苦労もありましたが、周りの仲間も大半が一人暮らしということもあって、一緒に過ごす時間も長く、より親密な関係を築くことができました。
当時の大学は全学生で約400人程度と少人数でしたが、新しい大学だったからこそ、自分たちから大学の文化を作り上げていくという面白さがありました。積極的に行事を企画したり参加したりする熱心なグループもあり、私も彼らの活動を見ながら刺激を受けていました。大学祭も第一回でしたから、試行錯誤しながら自分たちで作り上げていくというやりがいがありました。もっとも私は、企画する側というよりは参加する側でしたけど。
Q.卒業後の進路決定にあたり学科の学びで特に影響を受けたところは何ですか?
観光産業が沖縄県のリーディング産業として、持続的に発展する産業であることを学び、自分も沖縄の観光に携わる仕事がしたいと強く思うようになりました。以前から興味のあったホテル業界に入ることを決めたのは、大学での学びが大きく影響しています。特に、ホテルという仕事に対する漠然とした憧れだけでなく、沖縄の観光産業全体における重要性を理解できたことが、将来の方向性を明確にする助けとなりました。幼い頃に家族旅行で訪れたホテルの上質さに憧れを抱いた記憶も、ホテル業界をめざすきっかけの一つになっているかもしれません。
Q.これまでのホテルマンとしての歩みを教えてください。
卒業後はザ・ブセナテラスに新卒として入社し、約9年間勤務しました。最初の2年間は料飲部門、その後7年間は宿泊部門を担当しました 。2000年には沖縄サミットがあり、その対応にも関わりました。
その後も北部のリゾートホテルで経験を積み、2011年からリーガロイヤルグラン沖縄の開業準備に携わりました 。同ホテルで13年間勤務し、現在は総支配人として、収益や顧客満足度、そして従業員満足度の3つを高めることを最大のミッションとして取り組んでいます。
ホテルは建物そのものを簡単に変えることはできません。リピーターになってもらうためには、サービス品質やホスピタリティといったソフト面の充実が重要です。各部門がいかに連携しながら、お客様にとってプラスになるサービスを提供できるかを常に考えています。
ホテル業界に入った当初は、表から見る華やかなイメージと実際の仕事の大変さとのギャップに驚きました。しかし、お客様からの感謝の言葉や、リピーターの方が自分の名前を覚えていてくれることにやりがいを感じながら日々を積み重ねてきました。
Q.名桜大学への受験生や在学生へメッセージをお願いします。
観光業は世界的な成長産業です。名桜大学での学びは、沖縄はもちろん国内外と広く活躍の場を広げることができるでしょう。
現代社会はマルチスキルが必要とされる時代です。一つの分野に固執したスペシャリストよりも、複数の分野にまたがり幅広く多角的な視点で物事を見ることができ、能動的に動けるような人材が求められています。だからこそ学生時代は幅広く様々な分野に興味を持ち、チャレンジをしてほしいと思います。名桜大学はそのチャレンジができる大学だと確信しています。
県内に数あるホテルの中で、私のように地元出身者が総支配人を務めるホテルはそれほど多くありません。今回、実際にそのような職に就いたことで、一緒に働くメンバーにも「このポジションをめざせる」という可能性を示すことができたと思います。今後は地元で働く人が本気で総支配人をめざせるような環境をつくっていきたいと考えています。名桜大学で学び、観光業界で活躍したいと考えている皆さんには、ぜひチャレンジしてほしいと願っています。
今一緒に働いているメンバーの中にも名桜大学の卒業生がいます。私が学生だった頃は、面接の際、「面接のための答え」を準備していたように思います。しかし今の名桜大学の学生は、具体的な話の中でも皆、思いをしっかり持っていると感じます。若い皆さんの活躍に、心から期待しています。