公立大学法人名桜大学

 

 
学長挨拶
名桜大学学長
名桜大学学長
山里勝己 
Katsunori Yamazato, Ph.D.

 名桜大学の教育と使命

 

 名桜大学は、1994年に北部12市町村と沖縄県からの出資によって公設民営の大学として設立され、2010年に公立大学法人名桜大学として生まれかわりました。2014年には、開学20周年ならびに公立大学法人移行5周年を祝う式典を開催しました。本学の建学の理念は「平和・自由・進歩」であり、「国際社会で活躍できる人材」の育成を大学の使命・目的として掲げてきました。これは、公立大学法人化後も変わることなく、現在に引き継がれています。
  本学は国際文化、経営情報、観光産業の3学科からなる単科大学として出発し、2007年に国際学部を国際学群に改組しました。2005年には、人間健康学部スポーツ健康学科を開設、さらに2007年に同学部に看護学科が設置されました。
  この間、名桜大学は、国際基準の大学教育のあるべき姿を模索してきました。21世紀のグローバル化する世界に対応するには、大学はどのようなカリキュラムを編成して学生を教育し、十分な学士力を身につけた人材を社会に送り出すべきか。また、学生はどのような知識や技能(スキル)を学ぶべきか。あるいは、国際的に活躍し、地域社会に貢献する人材を育成するにはどのような教育体制を構築すればいいのか。このような問いに答え、時代の要請に応えるため、本学は2011年にリベラルアーツ教育を推進する「教養教育センター」を設置し、2015年には同センターを「リベラルアーツ機構」として改組しました。リベラルアーツ教育とは、人文科学、社会科学、自然科学を幅広く柔軟に学び、批判的かつ論理的な知識体系を身につけ、同時に自立した思考を深め、知的倫理性を実践することを目的とした教育です。また、本学では、(1)(母語による)文章力、(2)数理的な判断、分析能力、(3)外国語をリベラルアーツ教育の3つの基本的なアカデミックスキルと考え、言語学習センター、数理学習センター、ライティングセンターを設置しています。この3つのセンターは、先端的なチュータリング制による学習を推進していて、本学の大きな特色となっています。
 名桜大学のカリキュラムは、幅広い教養教育を基礎として円満な人間形成をめざし、専門分野では深い知識を探求できるよう設計されています。本学では、このような教育を「名桜大学型リベラルアーツ教育」と呼んでいます。これは、21世紀の先進的なリベラルアーツ教育を行うために入学時からアクティヴラーニングを基本としたカリキュラムで学生を教育し、そのような教育を多様な専門分野に有機的に接続しようとするものです。例えば、国際学群では、3年に進級するさいに専門分野を決定しますが、それまでは柔軟に幅広く学ぶことができるよう、カリキュラムが編成されています。また、看護学科とスポーツ健康学科を擁する人間健康学部でも、リベラルアーツの要素を取り入れながら学生を教育しています。本学は、このような教育を国際基準に従って推進し、地域社会と国際社会で活躍できる人材を育成することを目標としています。また、このような教育は生涯を通して自立して学び続けるための基礎となります。
  大学院について言えば、本学は2001年に国際文化研究科(修士課程、5教育研究領域)を設置、さらに2011年には看護学研究科(修士課程)を設置しました。これは高度職業人と研究者の養成を目的としたものです。また、より魅力あるカリキュラムと教育研究体制を構築するために、国際文化研究科では領域によっては英語を中心としたバイリンガル教育が実施され、看護学研究科では北部地域の健康と看護に関する特色ある研究が推進されています。いずれも、地域貢献と国際貢献をめざすカリキュラムとなっています。
  また、名桜大学の教育の特色として、このような正課のカリキュラムに加えて、学生ボランティアによる学生支援のための「ウェルナビ」と就職活動支援ボランティア「S-CUBE」が挙げられます。これは本学のユニークな教育支援システムであり、その活動の多くは教員の指導のもとで学生ボランティアが担い、学生間の創造的な学びを可能にしています。このような活動は、学生のコミュニケーションスキル、リーダーシップ、自律性、協働精神などを育成することに大きな役割を果たしています。さらに、2014年に完成した6階建ての学生会館「SAKURAUM(サクラウム)」は、このような活動や教育を推進するための空間や設備や機器を備え、学生間の共同学習や学際的コラボレーションを推進する中核的な施設になっています。
  「国際社会で活躍できる人材」とは、グローバルなパースペクティヴを有し、同時に自らが立っている地域について深い理解を有する人材を意味します。本学は、国内外に多様な交流協定大学と企業等との連携プログラムを有し、海外留学、海外スタディツアー、地域でのインターンシップの機会を学生に提供することでこのような人材の育成に努めています。
  大学は人類の知の伝統を広く深く学び、同時にその最先端で他者と切磋琢磨しながら自らを成長させていく場です。本学の先進的なカリキュラムと美しいキャンパスで、学生諸君が大きく飛躍することを期待しています。
 
Profile:

山里学長は、本部町出身。琉球大学教授・同大副学長を経て、2013年名桜大学副学長・国際文化研究科長、2014年度第五代学長に就任。専攻はアメリカ文学・文化論。

【略歴】
 1972年 琉球政府立琉球大学英語英文科卒
 1974年 University of Hawaii, Manoa大学院(修士課程)英米文学専攻修了  (M.A.)
 1987年 University of California, Davis大学院(博士課程)英米文学専攻修了 (Ph.D.)

  琉球大学名誉教授、琉球大学国際沖縄研究所長、日本文学・環境学会会長、九州アメリカ文学会会長、
  アメリカ学会理事、アメリカ文学会会誌編集委員、ハワイ大学アメリカ研究学科大学院客員教授、
  アメリカ文学・環境学会会誌ISLE(オックスフォード大学出版局)編集委員


【著書等】
 『場所を生きる――ゲーリー・スナイダーの世界』(山と渓谷社、2006年) 『琉大物語 1947−1972』(琉球新報社、2009年)
『<移動>のアメリカ文化学』(共編、ミネルヴァ書房、2011年) 『<オキナワ>人の移動、文学、ディアスポラ』(共編、彩流社、2013年)
『アメリカ文化55のキーワード』(共編、ミネルヴァ書房、2013年)
The Literature of Nature: An International Sourcebook. London: Fitzroy and Dearborn, 1998.(共編)
Voices from Okinawa. Honolulu: U of Hawaii P, 2009.(共編)
Living Spirit: Literature and Resurgence in Okinawa. Honolulu: U of Hawaii P, 2010. (共編)
『戦後沖縄とアメリカ――異文化接触の50年』沖縄タイムス社、1995年。(共編)

 

【受賞等】
 第5回琉球新報短編小説賞受賞 (1976年)
 沖縄タイムス芸術選大賞受賞(文学研究・文学批評)(2008年)