公立大学法人名桜大学

 

平成24年度 第三回教育講演会を開催しました


日本社会の多文化化と教育の課題―多文化学校の課題を中心に―

 

 平成24年12月14日(金)、多目的ホールにおいて、平成24年度第三回教育講演会が行われた。今回は、東京学芸大学国際教育センター教授吉谷武志氏を講師としてお招きし、「日本社会の多文化化と教育の課題―多文化学校の課題を中心に―」というテーマでの講演であった。当日は、本学の学生を中心として、約200人が参加した。
吉谷氏は1990年代以降の日本社会の多文化化に伴い、「多文化の子ども」をめぐる教育課題が顕在化しつつあると述べた。ここでいう「多文化の子ども」とは、在日韓国朝鮮人、中国残留邦人・帰国者、南米日系人、留学生、国際結婚、就業者や海外帰国児童生徒等、多様な背景を持っている子どものことをいう。「多文化の子ども」をめぐる教育課題は、一つに、当事者(本人)、二つに、周りにいる子どもたち、三つに、当該校での体制づくり、四つに、行政支援体制づくりという四つの側面から検討していく必要があると述べた。特に当事者に関しては、その課題に応じてA~D(図参照)のようにとらえること、そして、当事者支援の課題として、①(日本の)社会・文化への適応、②言語の獲得、③学力形成(学びの力と成果)、④自分づくり(アイデンティティ、自尊感情形成等)を挙げ、それをどのように行っていくのかとの問題提起がなされた。
現在、日本社会における「多文化の子ども」は少数かもしれない。しかし、「少数者の側から教育等の社会システムをみる」という視座の必要性を再認識させられた講演会であった。

吉谷武志氏による講話の様子

 

教員養成支援センター教員 板山 勝樹(国際学群 国際文化教育学系 准教授)

 

参加学生の声

 今回の講演を聞き、実際の教育現場で多文化化が進んでいることを知りました。日本で暮らし、日本で学ぶ外国籍の児童・生徒の学びを保証していくことの重要性を学び、考えるきっかけとなりました。児童・生徒が多文化の子どもと関わり、排除することなく学び合うことは、現代社会や現代の教育に求められている事であり、課題でもあると感じました。「協働」、「共生」‐Living Together-について、これから深く考えてこうと思います。

與儀 滝太(国際学群 語学教育専攻3年次、読谷高校出身)

参加者はみな興味深く聞き入っていた