公立大学法人名桜大学

 

第8回名桜大学人間健康学部シンポジウムを開催しました


健康・スポーツ科学の果たすべき役割

 平成24年12月8日(土)、「健康・スポーツ科学の果たすべき役割」をテーマに、第8回公立大学法人名桜大学人間健康学部公開シンポジウムが、本学多目的ホールで開催されました。 平成23年8月「スポーツ基本法」が施行されました。この法律はスポーツに関し、基本理念を定め、国および地方公共団体の責務並びにスポーツ団体の努力等を明らかにするものであります。そして、スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民の心身の健全な発達、明るく豊かな国民生活の形成、活力ある社会の実現及び国際社会の調和ある発展に寄与することを目的としています。

 名桜大学人間健康学部では、「人間の生き方」、「人間が心身を充実させてよりよく生きること」を学ぶことを目標に「スポーツ科学」、「健康科学」、「看護学」を通して「健康支援人材」の養成を行っています。 今回、『健康・スポーツ科学の果たすべき役割』をテーマに、「運動科学は高齢者認知機能低下者や軽度認知障がい者の回復に貢献できるか」また、「脳・神経科学の立場から学校体育や学校教育の場での健康・スポーツ科学の重要性」を趣旨として、基調講演会が開催されました。

基調講演を行う西平氏

 講師は、筑波大学大学院人間総合科学研究科教授、西平賀昭氏にお願いしました。西平教授は運動生理学を専攻し、特に「運動と脳・脊髄運動神経系適応能」がご専門であり、その学術研究の第一人者であります。学術博士の学位、数々の著書および論文があり、また、特筆すべきことは、文部科学省21世紀COEプログラム研究拠点形成のプロジェクト拠点リーダーとして活躍されたことであります。以下に、西平賀昭教授の講演要旨を紹介します。

 西平教授は、運動と脳の活性化について研究や実践例を挙げ「現時点で分かっているのは、運動は脳のニューロン(神経細胞)新生を促すきっかけになること」つまり、「運動すれば脳機能が良くなることは分かっている」と強調しました。一方で、「どういった運動がどのように脳に作用するかなどのメカニズムが解明されていない」とし、「研究が進めば、運動科学が高齢者認知機能低下者や軽度認知障がい者の回復、認知症の予防に大きく貢献できる」と、スポーツ科学を学ぶ学生らの今後の研究に期待を寄せました。 また、米国シカゴの高校で、授業前に生徒が30分~40分の運動をすることで、肥満の減少や有酸素運動能増加のほか、数学や理科の成績の向上につながったことを紹介。学校体育や学校教育の場での運動の重要性を示しました。

西平氏

 「9年間の義務教育でどのような運動をした方がいいのか」という学生の質問に、西平教授は「運動生理学に則った知識、筋力や持久力などの体力要素だけではなく、脳や神経の知識を持って、学校教育の場で普段から運動の大切さを指導した方がいいのではないか」と助言しました。

 最後に、本シンポジウムの企画担当代表者としての感想を述べてまとめとします。今回は、従来のシンポジスト形式をやめて講演終了後、直接フロアとの質疑応答形式を取り入れました。参加者は、本学スポーツ健康学科の学生が中心ではありましたが、多くの学生からの質問があり、成功裏に終えることができたのではないかと考えます。学生にとっては、運動・スポーツと脳科学の関連について、大きなインパクトとなり、新たな知的刺激を受けたものと確信します。そして、西平教授の講演を聴いた学生の中から、将来の健康・スポーツ指導者あるいは研究者が育つことを期待します。

平識 善盛(人間健康学部 スポーツ健康学科 教授)


  
多くの聴講者が熱心にメモをとった           学生から積極的に質問が寄せられた