公立大学法人名桜大学

 

第4回名桜大学国際学群公開シンポジウムを開催しました

 

「WUBなど世界のウチナーンチュネットワークを活用した国際交流教育の構築」

 

 第4回名桜大学国際学群公開シンポジウムは平成24年12月21日(金)に開かれ、成功裏に終わった。今回のテーマは「WUBなど世界のウチナーンチュネットワークを活用した国際交流教育の構築」で、海外からの3人のパネリストを招待したのが特徴であった。「国際社会で活躍できる人材育成」を教育目標とする本大学にとって時宜を得たシンポジウムで、学内外から約350人余の参加者で、会場の多目的ホールはほぼ満席だった。

 

 2011年、「第5回世界のウチナーンチュ大会」が開かれ世界に住むウチナーンチュ約5000人が公式行事に参加し、ウチナーンチュの誇りと展望を確認した大会だったことが今でも印象に残る。大会ではウチナーンチュネットワークを活用して、母県と移住国でウチナーンチュが活躍することの重要性を確認するなど成果を生んだ。これらを背景にして、世界のウチナーンチュネットワークと本大学が連携した国際教育のカリキュラム作成などの方法を探るのが今シンポジウムの目的だった。

 基調講演者としてネットワーク構築のパイオニアである2人を招聘した。まずWUB(Worldwide Uchinanchu Business Association)の提唱者で初代会長のロバート・仲宗根さんに「WUBの誕生と目的」について話していただいた。仲宗根さんはうるま市出身でハワイ在住の2世。ハワイ沖縄人連合会専務を勤めた後、1997年、世界で活躍する沖縄系ビジネスマンで組織するWUBを創立し初代会長に就いた。WUBは現在、世界で15カ国、20の支部が加盟して、「国際ビジネスネットワークの構築とビジネス活動の促進」を目指す。「沖縄系の3人に1人は海外に住んでいる。ユダヤ人の世界組織同様に、ウチナーンチュが築き上げたユイマール精神でネットワークを拡大して世界で活躍する」と強調した。すでに、WUBはこれまでの世界ウチナーンチュ大会を支えてきた主要な組織として、世界を周る年次大会、人材育成のための奨学金制度の確立などで着実に成果をあげてきた。

長嶺氏_基調講演

 もう一人の基調講演者は、米軍行政が開始された直後の1954年、米軍政府民生府派遣の第1回ボリビア移民に参加した長嶺爲泰さんで、「沖縄コロニー」を築くまでの移民体験談を語った。長嶺さんは那覇市小禄の出身で、家族と一緒に、小学校5年生の時に南米へ移住した。40人の移住者はボリビアのジャングルと格闘して開墾したが、到着後6カ月間で、熱病で15人が命を失ってしまった。その後、夜間小学校、宿舎付き農林学校、夜間大学を卒業し、ブラジル銀行に転職した。1971年、ブラジル銀行東京支店の開所時に、東京転勤となり、最後は東京支店長を務め、現在は南米のビジネス社会を中心とする人脈を元に、世界のWUBネットワークの会長を勤めている。「地獄から天国へ来た気分で安堵感を味わう」と、3度目の転地の後、ボリビアの地図に「Okinawa(沖縄コロニー)」の地名を築いたことを誇りにした。「命(ヌチ)どぅ宝、健康第一」を人生のモットーにしてきたと語った。

 パネリストの遠山光一郎さんは、シンガポール沖縄民間大使である。沖縄国際大学卒業後、沖縄県人材育成財団派遣でシンガポール大学院を修了し、日本企業のアジア支店に勤務の後、小売業と経営コンサルト業を営む。「他人に惑わされない自分の心を信じる」と伝えた。また、本大学院生の比嘉・アンドレスさんはアルゼンチン出身で、沖縄系2世。平成24年7月に、ブラジルで開かれた第1回世界若者ウチナーンチュ大会に参加し、「次世代を担うグローバルリーダーの育成」を決めたと報告した。また自らは「世界と沖縄の架け橋になりたい」と、約束した。移民研究が専門の琉球大学の町田宗博教授は「沖縄文化は南米に溶け込んでいる。南米のウチナーンチュとウチナーンチュ社会は多文化社会おける国際教育の有効な場である」と評価した。最後のパネリストの渡慶次正則教授は本学の国際交流プログラムを紹介した後、「留学生会館建設、国際交流課新設、WUBが実践した人と人の交流」の必要性を提言した。

基調講演者        基調講演者          パネリスト 

ロバート・仲宗根氏      長嶺爲泰氏      遠山光一郎氏

 

 参加者の一人で、海外ウチナーンチュ取材の第一人者の前原信一さん(元OTV報道部長)は「海外の沖縄社会にはウチナーンチュ心が残っている」とし、交流教育の構築に賛同した。
最後に「WUBなどのネットワークを活用した語学研修、職場体験、沖縄学研究などに関する連携教育の構築へ向けて、今後も継続して話し合う」ことをパネリストと参加者で確認して、次回の課題とした。

総評:仲地 清(国際学群 国際文化教育研究学系 教授)  

 

 









パネリスト       パネリスト         パネリスト       コーディネーター

町田宗博氏       渡慶次正則氏       比嘉アンドレス氏    仲地清