公立大学法人名桜大学

 

平成28年度 人間健康学部 看護学科 臨地実習報告

成人看護実習Ⅰ - 病む人と関わるために必要なこと -

 成人看護実習Ⅰは平成28年5月9日(月)から8月5日(金)の日程で、沖縄県立北部病院、北部地区医師会病院、沖縄県立中部病院、中部徳洲会病院の4施設で行われました。救急救命における最前線での見学実習と急性期医療を中心とした病棟実習により構成されています。
 見学実習では、救急救命に関わる他職種との連携や情報交換を行い、命を守る最前線での新鮮な経験していました。クリティカルな場で繰り広げられる展開の速さに何とかついていこうとする学生のたくましい姿がそこにありました。
 また病棟実習では、4年間の学習や実習の経験から学んだ患者の援助に対する情報収集力を発揮して自信をもって取り組む質の高い実習展開に驚かされました。学生の限りない可能性を感じる実習となりました。
 
総評:清水 かおり(看護学科 上級准教授)
下地 紀靖(看護学科 准教授)
西田 涼子(看護学科 助教)
野崎 希元(看護学科 助手)
 
 
患者さん全体を把握し、看護していくことの重要性

 成人看護実習Ⅰでは、術後の患者さんを担当させていただきました。今回の実習を通して、急性期看護では観察する視点が多く、次に起こりうる危険性やリスクを想定して看護していくことが最も必要であると感じました。また術後は特に、術後合併症も視野に入れながら、モニターだけでなく、いつもと違うという少しの変化にも気づく看護師の感覚も大切にしていくことが必要であると実感しました。そのため、日々患者さんを観察すること、医療者間の情報共有も必要であると感じ、実習時には自分が関わる時間以外の情報も把握しながら患者さんと接することを心がけていました。
 手術は患者さんにとっても家族にとっても負担の大きいものであるため、患者さんだけでなく家族へのケアも必要であると感じました。身体的な面だけでなく、精神的な面も含めて患者さん全体を把握し、看護していくことが大切であると学びました。
 
  4年次 黒木 千風優(宮崎県立都城西高校出身)
 
 

公衆衛生看護実習Ⅱ

 公衆衛生看護実習Ⅱは、看護学科保健師課程選択コース4年生の実習です。実習目的は、保健所管内の地域特性と保健所機能の役割・機能、業務内容並びに公衆衛生看護の実際について学ぶことを挙げています。3年次編入学生を含む学生30人が、北部保健所、中部保健所、南部保健所、那覇保健所にて、6月から7月の期間中に1週間の実習を実施しました。県型保健所と都市型保健所で実習を行うことができるため、実習報告会ではそれぞれの保健所の役割や業務内容について学んだことを情報交換し、さらに学びを深めることができました。充実した実習ができましたことを、関係機関および実習指導関係職員の皆様に深く感謝申し上げます。
 
総評:比嘉 憲枝(看護学科 上級准教授)
 
 
保健師の魅力
 
 私は、公衆衛生看護実習Ⅱにおいて、北部保健所で実習をさせていただきました。北部保健所は、地域保健班、健康推進班、生活環境班、総務企画班に分かれており、実習を通して、保健所は、健康づくり対策や食品衛生業務、健康危機管理業務等といった、住民が安心して暮らすための様々な対人保健、対物保健の役割を担っていることを学びました。
 その中で、地域保健班保健師のグループ会議や家庭訪問への同行、医療機関や管内市町村保健師等が一堂に集う連絡会、結核患者発生時のケースメソッド、接触者健診の見学等をさせていただきました。保健師が対象者一人一人と丁寧にかつ綿密に関わっていることが特に印象的でした。また、保健師の支援に拒否的な対象者には、無理に家庭訪問を実施せず家庭以外の場所から関係構築を始める等の関係を築いていく工夫や、リアルな現場の様子を学ぶことができました。大学での講義では、「地域全体を見る」ことや「地域住民のために」といった言葉を頻繁に耳にしてきましたが、イメージがつかない部分がありました。しかし、実際の保健師活動を実習中に学ぶことでイメージしやすく、講義内容と現場とを結び付けて考えることができました。
 最後に私自身、北部地域の住民として安心感と、保健師の魅力をとても感じることができた実習でした。実習指導をしていただいた職員の皆様ありがとうございました。
4年次 比嘉 真子(沖縄県立名護高校出身)
 
 

公衆衛生看護実習Ⅲ

 公衆衛生看護実習Ⅲは、北部地区3離島を含む15市町村において、6月から7月末までの期間に3週間/クールを2クール実施する実習で、保健師課程選択コースの学生を含む4年次34人を対象として行われました。本実習内容は、①実習先の市町村に関する既存資料、地区踏査、各保健事業より地域の健康課題を抽出し、同課題の解決策を検討する地域診断、②個別支援方法の核である受け持ち事例への家庭訪問(継続訪問)、③指導計画に基づく媒体作成等の準備、実施、評価を一連の流れで学生が主体的に行う健康教育、④健康診査等の各保健事業への参加等があり、担当保健師の指導のもとで公衆衛生看護の学びを深めました。実習担当指導者より、「地域のことを主体的に学ぼうとする姿勢が良かった」との評価をいただきました。また、本実習は、新カリキュラムの保健師課程選択コースの実習として2年目を迎え、実習担当指導者より、「保健師課程選択コースの学生は積極的に学ぶ姿勢があり、やる気を感じる」等の評価もいただきました。
 今年度も学びの多い素晴らしい実習ができました。これもひとえに実習市町村の指導保健師の皆様及び関係職員の皆様の丁寧なご指導あってのことと心より感謝いたしております。
総評:本村 純(看護学科 准教授)
 
地域に密着した健康づくりの実際を学ぶ
 
 公衆衛生看護実習Ⅲでは、東村福祉保健課で3週間の実習をさせていただきました。実習では住民健診や乳幼児健診、家庭訪問など多くの保健事業に参加させていただき、市町村の保健業務の実際を学ぶことができました。
 健康教室はデイケアに参加している高齢者を対象に「認知症予防」のテーマで実施しました。模造紙や配布資料を準備し、認知症の種類の説明や予防に効果的な食べ物の紹介を行いました。また、認知症予防の体操として手遊びを取り入れたレクリエーションを一緒に行い、参加者の皆さんに楽しんでいただきました。
 その他の保健事業として乳幼児健診や困難事例のケース会議などに参加し、地域保健活動では関係機関との連絡・調整を行い、連携してより良い支援に繋げていくことが重要であると学ぶことができました。
 東村での3週間の実習を通して、より地域に密着して健康づくりを推進している市町村保健師は住民にとって馴染みの存在であり、信頼関係を築きながら健康支援していくことの大切さを感じました。
4年次 島袋 芙希(沖縄県立読谷高校出身)
 

総合実践 : 高齢在宅看護領域

 総合実習は、これまで高齢者看護実習や在宅ケア実習などでの学びを踏まえた上で、学生個々が学びを深めたい課題について実習目標や計画を立て、実習施設を決定していきます。
 今年度は9人の4年次が、訪問看護ステーションや小規模多機能型居宅介護事業所、認知症グループホーム、介護老人保健施設、療養型病院等で実習を展開しました。
 学生は積み上げてきた知識・経験を基盤に、対象理解を深め、高齢者のニーズに寄り添った看護過程を展開していきます。その実践例として、高齢者が長年親しんできた沖縄の文化を取り入れたアクティビティ(レク)ケアの導入、認知症高齢者の問題行動の背景を捉え、“その人らしさ”を引き出すためのケア、長期に施設入所している高齢者の生きがいづくりなど、4年次だからこそ実践可能な看護過程を展開していました。
 「総合実習」は看護基礎教育における集大成の実習になります。1年後は看護職として第一線の現場に立っている4年次を想像しながら、実りある科目になるように、努力していきたいと思います。
総評:佐久川 政吉(看護学科 教授)
永田 美和子(看護学科 教授)
佐和田 重信(看護学科 准教授)
安仁屋 優子(看護学科 助手)
吉岡 萌(看護学科 助手)
 
総合実習で学んだ“宝”
 
 総合実習ではこれまでの実習とは異なり、学生自ら実習施設と調整し、実習内容を計画・実践しました。総合実習では臨床に近い実習を目標に、夜勤実習と高齢者2人を受け持ちました。限られた時間の中で、立案した計画を安全・安楽に配慮しつつ、円滑に実施することは想像以上に難しいものでした。特に優先順位と多重課題を判断する
ことに戸惑いや困難感を感じましたが、実習指導者や教員からの指導、チームディスカッションを行うことで、質の高い実習を展開することができました。
 実習で一番印象に残ったことは、実習最終日に行ったレクです。レクに向けて三線や踊りの練習を重ね、いざ本番!…なんと、感情表出が少なかった高齢者が笑顔に!!その瞬間、「レクをやって良かった!」という思いと共に、レクの与える影響力の大きさを感じました。高齢者の可能性を信じて関わることで、本人の変化や笑顔を見れたことは私たちの宝となりました。この経験を忘れずに、将来看護師になっても活かしていきたいと思います。 
4年次 友利 あかね(沖縄県立普天間高校出身)、金城 弥生(沖縄県立北山高校出身)