公立大学法人名桜大学

 

平成27年度国際学群 国際文化専攻・語学教育専攻[現地実習 東南アジアコース報告]

現地実習東南アジアコースの報告

 平成27年度の現地実習東南アジアコースは、8月12日(水)から8月31日(月)の19泊20日の旅程で実施しました。目的は、例年同様言語・民族構成・文化的特性・宗教ともに極多様な事情を抱える諸国家がその境を接し、かつ東南アジア・南アジアという共通の立場をもって存在している姿を参加学生に体験してもらうことでした。

 旅程はまず隣国の台湾から始めました。参加者の中に毎年、初めて海外に出る学生が少なからずいるため、街の風景が日本や沖縄に比較的に近い台湾で数日過ごし、外国の風景から様々な事情を読み取る手ほどき、いわば準備運動を行う必要があるからです。台湾の後、インド(デリー、コルカタ)、タイ(バンコク、スコータイ)、マレーシア(ペナン、クアラルンプール)とまわり、最後に航空便の都合で台湾に1日滞在し、沖縄に戻りました。できるだけ空路を使わず一般庶民の利用する鉄道やバスで移動するという方針のため、20日では多少窮屈な印象のある旅でした。

 参加学生にとって、文化的多様性をもっとも鮮明に感じることができるのが、宗教と食や市場などの生活文化です。宗教は国民の日々の価値判断の源として息づいており、インドでは街角のヒンドゥー祠から寺院、シク教の寺院を見学し、タイにおいては国教である上座部仏教の寺院はもちろん、歴史あるカトリックの寺院も訪問しました。マレーシアではイスラームのモスク、台湾では中国人の民衆宗教である道教の廟と、現在の世界に行われている大宗教のほとんどを目の当たりにすることができたのは大変に有益でした。

 食文化についても、インドから東南アジアに移動し、現地の食べ物を体験していく過程で、スパイス世界から発酵食品世界へ、また小麦のパン世界から米食のご飯世界へという、大きな味の潮流を感じ取ることができたのではないかと考えています。また、食が宗教上の様々な規約によってそのスタイルを変えていることも大きな眼目でした。

 今年度の実習で特に感じたことは、現地事情の変化に関する情報が日本国内と現地とではかなり異なるということでした。今年度の場合、引率者が注意を払った現地事情は、第一にコルカタのデモ、第二にバンコクの爆弾事件、第三にクアラルンプールのデモの三点でした。引率者から見てもっとも要注意であったのは第一のデモであり、次に第二のクアラルンプールのデモ、最後にバンコクの爆破事件でした。コルカタのデモは共産勢力が突発的に行うもので、かなり暴徒化する場合もあり、しかも予定地が宿から遠くないこともあり、気にかかるものでしたが、日本のマスコミは全く注目していませんでした。引率者は事前に当該地域の警察当局に連絡し、状況の把握を行いました。一方、本学が契約している情報会社からは注意喚起はありませんでした。バンコクの中心街で起きた爆弾騒ぎは、邦人の負傷者もあったためか、日本のマスコミは安易に「テロ」と扱っていました。しかし、常識的に見れば、組織的テロであると考えるのには無理があり、対象となった場所を考えても、怨恨が原因の「事件」であることは、引率者にも現地在住者にも容易に想像がつくものでした。引率教員には確実な情報ソースと現地経験で状況を判断できる力量が求められるのは当然ですが、大学当局も、何かが起きた場合には、マスコミ報道などよりも引率教員を信頼し、現場の判断を任せるという方針の保持が大切であると感じました。

総評:山田 均(国際文化教育研究学系 教授)

 

 

日本では見られない光景に圧倒

稻飯 大地(国際文化専攻4年次、徳島県立富岡西高校出身)

 始めに訪れた台湾では主に台北で過ごしました。日本占領時代の建物が点在しており、台湾の親日感情に触れたような気がしていましたが、台湾在住で作家の片倉佳史氏による講演を聞いて、日本の台湾開発はあくまで支配のためであり、台湾の人々のためではなかったことを知りました。歴史は様々な視点から見る必要があることを学びました。

 次にインドに向かいました。オールドデリーの街は、道は荒れゴミも多く匂いもきつかったです。インドでは、コルカタにも訪れました。コルカタの街は比較的綺麗で、富裕層向けと思われるデパートもありましたが、デパートの入口には多くの浮浪者が寝ていて衝撃的でした。他にも、宗教施設を見学しました。文化や食事、宗教に対する感覚も日本とは全く違って、自分が日本人であることを強く感じました。

 3カ国目のタイは、街並みも綺麗で料理も安くて美味しかったです。宗教に関しては熱心ではあるが戒律等は厳しくないようで、牛肉や豚肉料理、お酒もありました。地方にも行きましたが、美しい自然と時間がゆっくりと流れる感覚にとても安らぎました。サイアム大学の学生との交流では、皆さん優しく、気安く接することができました。

 4カ国目に訪れたマレーシアでは、まずペナン島に行きました。そこはリゾート地として栄えており、街並みは美しく世界遺産にも登録されています。マレー人、インド人、中国人が住んでいますが、それぞれが集落の様なものを形成していました。次にクアラルンプールに行きました。とても栄えていて、交通も宿泊も便利でした。クアラルンプールに滞在した時期にちょうど汚職問題に対するデモが起こっていました。

 この実習で一番強く感じたことは日本が素晴らしい国であるということでした。その他、どの国にも中華街があったことは興味深かったです。視野を広げる貴重な機会となりました。

 

アラルンプールで懇親会

 

協定大学の学生と小旅行

 

国際列車の駅で

 

寝台列車

 

台北総統府にて