公立大学法人名桜大学

 

平成27年度国際学群 国際文化専攻・語学教育専攻[現地実習 東アジア報告]

変化する台湾と香港から沖縄を考える―平成27年度「現地実習東アジアコース」を終えて―

 2回目となる今年の東アジアコースは、平成27年9月3日(木)~9月19日(土)の17日間をかけて台湾、香港、深圳の3地域をまわりました。参加学生人数は6人でした。

 最初の台湾では、著名なカトリック系大学の輔仁大学で合計30時間の実践中国語集中講義を受けました。特筆すべきは専門家の先生方による集中講義です。今回は、総統府直属の研究機関である中央研究院社会学研究所の王甫昌副所長から「台湾のエスニシティ」、中央研究院近代史研究所の林泉忠副研究員から「台湾・中国・日本をめぐる国際関係」、同研究所許文堂副研究員と中国文化大学の黄美恵助理教授から「台湾の過去・将来と日本」、協定大学である開南大学人文社会学院の趙順文院長からは「台湾史と日本」のテーマで特別講義を受けることができました。また、台湾大学の卒業生で翻訳家の吉田智子氏からも、海外移住の講義をしていただきました。著名な先生方から直接お話を聞くことができたのも現地実習ならではであったといえます。

 フィールドトリップでは台北二二八紀念館、国父紀念館、中正紀念堂、歴史文物陳列館の他、海外における日本語教育発祥の地である台北市北部の芝山厳や日本統治時代最大の沖縄人集落であった基隆市和平島(日本時代は社寮島)を訪れました。

 「沖縄を外から知る」学びについては、沖縄県産業振興公社台北事務所(久高将匡所長)および沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)台北事務所(林秀佳所長代理)訪問で、お二方から台湾における沖縄の“リブランド”について最新の興味深いお話しをうかがいました。台湾では協定校の開南大学、香港では呂明才中学で「琉球語講座」をレッスンしました。

 香港では、陸路でお隣・広東省の深圳(シンセン)へと渡り、パスポートを必要とする“ボーダー”を自らの足で跨いで越境する経験をしました。日本にはない一国二制度下にある香港と中国の関係を現地で直接考えることは学生にとっても大きな刺激となったようでした。

総評:菅野 敦志(国際文化教育研究学系 上級准教授)

中央研究院社会学研究所
王甫昌副所長と(台湾)

開南大学人文社会学院
趙順文院長による講義(台湾)

 

呂明才中学での「琉球語講座」(香港)

 

東アジア現地実習で得た学び

伊藤 俊弥(国際文化専攻3年次、岩手県立水沢高校出身)

 現地実習では現地の人々とたくさんの交流ができ、様々なことを学ぶことができました。最も印象に残っていることはやはり、輔仁大学での中国語の講義です。言語を学ぶことにおいて、講義が楽しいと思えたのはおそらく初めてだと思います。きっと誰でも、習ったばかりの文章を話してそれが通じたときは感動するはずでしょう。

 中国語の講義のほかにも私たちは多くの特別講義を受けさせていただきました。その中でも中央研究院近代史研究所の林泉忠先生の講義は興味深かったです。台湾史を簡単に説明していただいた後、「台湾・中国・日本の微妙な関係」について三国間での視点でお話をしていただきました。一対一の関係性では見えてこないことが、三角関係で見ることによって見えてくる姿もあることを知りました。

 開南大学と呂明才中学での琉球語講座も非常に良い経験となりました。台湾と香港、深圳という海外に行くことによって自分自身や自分が住んでいる沖縄をより客観的に見ることができました。一つの地に固執しているだけでは自分やその地を客観的にとらえることはできないということ、他者との比較においてより自分をはっきり認識できるということを、それらの地に実際に行ってみることによって痛感しました。

 現地実習に参加して、現状に満足しているだけではなく、厳しい環境に身を置いてこそ自分のレベルを上げられるのだと思いました。現地実習は自分たちが訪れる現地のことについて学ぶ機会であると同時に、自分自身をより深く見つめ直す良い機会です。最後に、これからの参加者は、台湾などに行くときは飲食店での激辛料理に気を付けていただきたいと思います。

 

輔仁大学での中国語研修(台湾)

中央研究院近代史研究所前にて(台湾)