公立大学法人名桜大学

 

平成27年度国際学群 国際文化専攻・語学教育専攻[現地実習 沖縄コース報告]

現地実習沖縄コース総評

 

奄美高校郷土芸能部の皆さんから演奏方法などを学ぶ

 本年度の沖縄コースは、8月18日(火)から同30日(日)までの13日間、鹿児島県奄美大島、加計呂麻島、沖縄本島北部・中南部および周辺離島(久高島)、八重山諸島(石垣島、竹富島、西表島)地域において、歴史・民俗的景観や史蹟および建造物、石碑、歌碑等を巡りながら学生による事前学習の発表をさせつつ、各地域において行事への参加などを通して様々な体験実習を行いました。

 前半は鹿児島県奄美大島、加計呂麻島、沖縄本島北部・中南部を巡りました。特に印象的であったのは、奄美高校郷土芸能部との交流でした。同部は昨年、鹿児島県高等学校文化連盟郷土芸能専門部発表大会の伝承芸能部門で最優秀賞を受賞、全国高校総合文化祭に出場を決めている部で、素晴らしい伝統音楽の演奏を拝聴した後、郷土芸能楽器について実際に触れ、演奏方法などを学び、また、沖縄コース参加学生に奄美高校郷土芸能部の出身者がおり、後輩との演奏に加わるなどして交流しました。

 

奄美の郷土芸能には三線や締め太鼓など、沖縄の郷土芸能に類する楽器が多くありますが、少しずつ異なる点があるなど地域毎のバリエーションが見られ、参加学生は親しみを覚えながら、違いのあることを実際に目の当たりにしました。

 また北部の巡検として、宮城都志子先生を講師としてお招きしてヤンバル野草の採取および調理実習を行いました。昨年もそうでしたが、今年度も小雨の中での野草採取となりました。採取は名護城周辺の山地で行うハードなフィールドワークのため暑い中では厳しいことが予想されましたが、天候に恵まれた実習となりました。

 23日(日)からは宮古島へ移動する予定でしたが、台風15号のため自宅待機となり、宮古島での巡検および実習は中止となりました。事前に教務課の皆さんや旅行社からの連絡があり、速やかに対応でき、宮古巡検に関して金銭的には全て学生へ返却され事なきを得ました。教務課の皆さん等による迅速な連絡と連携のおかげです。記して感謝したいと思います。

 

「忘勿石」の碑(西表島)

 25日(火)からは八重山へ移動しました。石垣島では石垣市立博物館および石垣島国立天文台の見学を行い、竹富島、西表島へも渡り、史蹟等を見学しました。特に西表島では「忘勿石」の碑を今年度初めて訪問、戦争マラリア被害についてその場で学習しました。戦争マラリア被害とは、沖縄戦の最中、波照間島の住民が当時マラリアの蔓延していた西表島へ、住民の反対にもかかわらず強制疎開させられ多数の人々が命を落としたというもの。戦争とは、直接的にも間接的にも沢山の悲劇を生むという史実を現地で確認しました。

 

 今後の課題としては、例えば野草の実習は、野草が柔らかい時期に実施するなどしたほうが旧暦の計算など学習効果が高いことが予想され、現地実習の実施日程について改めて検討しています。

 なお最後に、連日の猛暑の中、体調を万全に整えてしっかりと実習について来てくれた10人の参加学生の皆さんと、一緒に引率を担っていただいた屋良健一郎先生に感謝します。

 

総評:照屋 理(国際文化教育研究学系 上級准教授)

 

 

 

琉球文化の変遷に触れる13日間

比嘉 めぐみ(国際文化専攻3年次、沖縄県立名護高校出身)

 実習を行うにあたり、各地域の文化や歴史について事前に学んでいましたが、現地で実際に見るもの触れるものはやはり新鮮で、良い刺激を受けることができました。

 奄美では、三味線・太鼓などの楽器を使った演奏を目の前で聞かせていただきました。奄美の三味線・太鼓は、沖縄本島のものとは違った特徴があり、日本本土からの影響も受けながら育まれてきた文化であるということを実感しました。石垣を訪れたのは、ちょうど旧盆の時期でアンガマという行事を見ることができました。アンガマは、あの世からの使者であるウシュマイ(お爺)とウミー(お婆)が現世に現れ、三線・太鼓を打ち鳴らし念仏を唱えながら家々を訪問し、先祖供養をするという八重山地方に伝わる行事です。先祖というと遠い存在に感じられますが、この行事を通して見ると、共に歌い、踊り、会話することで、先祖をより近い存在として感じることができると思いました。那覇では、首里城に行ってきました。照屋先生のガイドを聞きながら回る首里城はとても面白く、王朝時代、国王や役人たち、中国・日本の使者など多くの人がこの場所を往来していた様子を思い浮かべながら見学することができました。

 奄美から八重山諸島まで連なる島々は、「琉球文化圏」と呼ばれますが、それは一つの文化ではなく、時間・地域を変え、また他と融合を見せながら少しずつ変化し続けているものなのだと学ぶことができました。この実習で得た刺激を、今後の学びや卒論に生かしていきたいです。

竹富島の水牛車