公立大学法人名桜大学

 

授業紹介「社会福祉概論」  自分はこれでいいんだ ~性同一性障害当事者からのメッセージ~

 性同一性障害の当事者で、本学スポーツ健康学科4年生の坂元玖朱さん(宮崎県立日南高校出身)が、平成27年11月17日(火)の「社会福祉概論」の授業で講話を行いました。坂元さんは、小学校に上がる頃からスカートをはくことに違和感を覚え、男の子の持ち物とされていた黒いランドセルなどを持ちたいと感じていたそうです。中学生になると、制服、友人関係、遊び方など、生活のあらゆる面が男女の区別によって分かれることになり、息苦しさを感じたとのことです。しかし、まわりから嫌われたくないという思いから、無理をして女の子として振る舞っていたそうです。

 高校生になって初めて女の子とつき合うことになり、その彼女から、自分の生物学的な性別に違和感を覚える人たちが他にもいるという事実を教えてもらったそうです。それまでのもやもやした気持ちが晴れて、「自分はこれでいいんだ」と徐々に自分のことを受け入れ、他者に語ることができるようになっていったとのことです。

 大学の入学式はメンズスーツで臨み、自分らしい生活を広げていきました。とはいえ、体育の授業やスポーツの部活動は男女で分かれるため、やりたくてもあきらめなければならなかったこともあったとのことです。就職活動に際しては、男性として自己紹介し、理解してもらうように努めたそうです。

 坂元さんは、「いろいろな人たちが存在することを、自然に受け入れられる社会をつくりたい。価値観や生き方は人それぞれ。こういう人たちがいることを伝えていくこと、それが当事者の役割だと思う」と力強く語ってくれました。卒業を控えた坂元さんは、在学中に健康運動指導士の資格試験に合格。希望する会社から内定を獲得しました。社会人となってからも、自分に正直な生き方で自らの役割を全うすることを期待しています。 

 

総評:竹沢 昌子(人間健康学部スポーツ健康学科 上級准教授、社会福祉士)

自身の経験や当時の気持ちを語る坂元さん