公立大学法人名桜大学

 

“ロコモ”を知って「グッドエイジング」を実現しよう!

MEIO COOL HEALTH PROJECT

 “ロコモ”を知って「グッドエイジング」を実現しよう!

 

 超高齢化社会に突入した中、平均寿命と健康寿命(日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間のこと)の差は男性が約9年、女性にいたっては13年もあります。健康寿命を延伸し、介護を必要とせず、自分らしく前向きに生きる「グッドエイジング」を実現するためには、要介護となる原因について理解し、生活習慣を見直し実践する習慣を持つことが大切です。

要介護となる原因とは?

 厚生労働省の調査によると、要介護となる原因は生活習慣が関係するものがほとんどとなっています。内訳としては、1位にくるものはメタボの代表格である脳血管疾患と心疾患が約27%、2位にくるものは認知症が約21%、3位にくるものは“ロコモ”が原因である関節疾患、骨折転倒が約17%、さらに4位は高齢による衰弱が約13%となっています。ここで登場するロコモとは、ロコモティブシンドロームの略称で、運動器症候群ともいわれています。「筋肉」「骨」「関節」といった運動器の働きの衰えにより、生活の自立度が低下し、介護が必要になったり、寝たきりになる可能性が高い状態のことです。主な要因となる変形性関節症と骨粗鬆症に限っても、推計患者数は4700万人(男性2100万人、女性2600万人)とされ、ロコモはまさしくメタボと並ぶ国民病となっています。

            

ロコモ度チェック! 
   最近、こんなことはありませんか?
家の中でつまづいたり滑ったりする。
階段を上るのに手すりが必要になる。
15分くらい続けて歩くことができない。
横断歩道を青信号で渡りきれない。
片足立ちで靴下がはけない。
2kg程度の買い物をして持ち帰ることが難しい。
掃除機を使ったり、布団の上げ下ろしなど家のやや重い仕事が難しい。
 一つでも当てはまればロコモティブシンドロームの可能性があります。

 

出典:日本ロコモティブシンドローム研究会「新・7つのロコモチェック」

 

サルコペニア肥満

 「筋肉」「骨」「関節」はロコモ予防の三種の神器といわれ、いずれか一つでも弱まると、全てが連動するようにロコモの発生へと繋がっていきます。本学のヘルサポが実施している健康測定では、参加者の70歳以上の方々の中にロコモの予備軍が疑われる方も多くいることが確認されています。その方々は、体脂肪率が50%近くもあり、通常は重度な肥満が疑われるところですが、組成を確認すると骨格筋量も極めて少ない、「サルコペニア肥満」の状態になっていることが伺えられます。サルコペニアとは、加齢に伴い筋肉が衰え、身体を支えられなくなる状況をいいます。さらに肥満を併せもつ「サルコペニア肥満」は、歩行などの身体機能の低下を進行させ、ロコモのリスクを高める要因となります。足の筋肉は体重に比例した大きさとなるのが一般的ですが、「サルコペニア肥満」は増加した体重に比べて筋量が極めて少ない状態となっていることを指します。サルコペニア肥満は60代で増え、70代で顕著に増えるといわれています 。

 

ロコモを予防し「グッドエイジング」へ

 女性の場合、男性と比較して変形性関節症と骨粗鬆症になりやすく、ロコモ予防のためには早めの対策が必要となります。膝が痛くて歩くことが・・・となる前に対策(予防)することが大切なのです。それには、ウォーキングは勿論のこと、スクワットなどの筋トレが重要となります。また、変形性関節症と骨粗鬆症と診断されても、できる限りの運動は実施する必要があります。なぜなら、放置すると確実にロコモへと進行するからです。しっかり、運動をし、アクティブな毎日を過ごすことが大切です。

 

 

三種の神器を栄養からサポート

 最近の研究では、筋肉をつけるために大切な成分として、「ロイシン」に注目が集まっています。「ロイシン」は、筋たんぱくの合成シグナルを活性化することがわかっていて、加齢に伴い「ロイシン」を多く含む乳たんぱくや大豆たんぱくの積極的な摂取、あるいはサプリメントの利用が効果的といえます。骨粗鬆症の予防には、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKの摂取が効果的で、乳製品は勿論のこと緑黄色野菜、きのこ類など日頃からの摂取が効果的です。またビタミンDは、積極的予防策としてサプリメントでの摂取も最近推奨されています。関節には、コンドロイチン硫酸やグルコサミンを含むサプリメントの長期的な摂取が効果的ですが、グルコサミンはカニやエビの殻・ウナギ・フカヒレ・軟骨・山芋・オクラなど、コンドロイチンはウナギ・鶏の皮・マグロの目玉・フカヒレ・山芋・里芋・納豆・オクラ・なめこなどの食品でも十分な摂取が期待できます。

 大切なのはあなた自身の積極的な取り組みです。早めのロコモ対策で「グッドエイジング」を実現しましょう!

 

健康・長寿サポートセンター長  高瀬幸一(人間健康学部スポーツ健康学科教授)