公立大学法人名桜大学

 

大学の世界展開力強化事業:FD研修会「大学院連携による教育研究力強化」

 「名桜大学大学院 FD研修会」が、平成 26年 12月 22日(月)18:00~19:30、総合研究所研修室において行われた。宮城敏郎上級准教授が司会進行し、「大学の世界展開力事業」に携わってきた3講演者が、順次、下記の表題で「大学院連携による教育研究力強化」について語り、講演後に聴衆と質疑応答した。


I.山里 勝己 学長 ( 名桜大学)

「大学院のグローバル人材育成について」

  

 名桜大学のグローバル化に関しての現状と今後の方針を説明した。また、「人の移動」に関しての著書も持参し、沖縄から他国へ渡った人々の活躍も紹介した。 今後更に、本学の総合研究所を中心に展開されている基盤研究「人の移動」などを通して、広島大学と共同研究を深め、大学のグローバル化に尽力したいと締めくくった。
 

II.吉田修教授 (広島大学大学院 社会科学研究科)

「『スーパーグローバル大学』と『大学の世界展開力』の今後」

 

 吉田教授は「スーパーグローバル大学に選択された広島大学のプラン」と「大学の世界展開力の今後」について講演した。広島大学が採択されたプロポーザル説明に、教職員共、熱心に拝聴していた。プロポーザルの詳細は下記。


1. 「スーパーグローバル大学」に選択されたプラン

Q1:「スーパーグローバル大学」とは何か?
A1:2014年、文部科学省は、日本の大学のグローバル化を推進するため、2つのタイプの大学創生支援金を提示した。広島大学は2つのタイプ共に応募し、Aタイプの資金を得ることになった。

Aタイプ:「世界大学ランキング100」を目指す力のあるトップ大学が対象で、1大学につき5億円が提供される。16大学が応募し、11国立大学と 2私立大学の合計13大学が採択された。

Bタイプ:グローバル化牽引型で、これまでの実績を元に先導施行に挑戦し、日本社会のグローバル化を牽引する大学対象。109大学が応募し、21国立大学と 2公立大学と 14私立大学の合計37大学が採択された。


Q2: 広島大学が、推進体制として掲げたプランとは?

A2:

1) 卓越した研究力と資金力(SCI論文数5,400報)(外部資金 270億円)

2) 大学院の充実と強化(大学院生8,000人)(博士学位授与数1,100人)

3) 日本人留学経験者数の増加(1,835人)と授業の50%を外国語にする(3,357)。

4) 世界から優秀な人材を集積(留学生の割合が20%で教員の53%が外国人)。具体的な取り組み手段は下記:

具体的取組1

*学生の希望と教員とのマッチング機能強化

*海外常設10拠点(留学相談窓口Webサイトなど)

*呼び水プログラム(サマープログラムやオンライン日本語教育)

*奨学金の強化(渡航前採用、大学独自、世界銀行、JICAなど)

具体的取組2

*世界中からネット出願システム

*SAT, GRE etc. 世界の実績ある学力審査を利用

具体的取組3

*全学部と研究科で開設

*カンボジア歯学国際共同大学院

具体的取組4

*世界トップレベルの海外協定大学から教育研究ユニットを重点分野に誘致して、協働教育、女性研究者活躍ユニット設置
 

2. 「大学の世界展開力」の今後

1)キャンパスアジアの到達点

*連携大学オンライン授業

*Joint Degree and Double Degree(ジョイント ディグリーとダブル ディグリー)

2)中南米などとの大学間交流形成支援(15億円)
 

III.山根達郎 准教授 (広島大学大学院 国際協力研究科)

「トランスファラブル・スキルとアクティブラーニングによる教育研究の実践」

 


  大学院修了後の移行期の課題として、新しい博士人材活用法をTransferable Skillsを通じて、幅広く社会に貢献できる人材を育成するのが望ましい。そのために、 山根先生は、講義中心の「座学授業」から、学生参加の「Active Learning」への移行(取り入れ)を試みている。
 山根先生の専門の政治学の授業では、学生に積極的にテーマを決めて、Discussionしてもらい、ゲームなどをさせる。例えば、「紛争解決ゲーム」において、1)個人的問題の紛争解決(恋愛問題など) 2)やや身近な社会問題 3)専門 に関する社会問題へと議論を広げてゆく。
 最終的に、考えをまとめ、はっきりさせるため、それらを通じた「詩」を書かせてみたり、「小レポート」を書かせ、それを教師だけが読んで評価するのではなく、グループやクラス全員で批評したり、論議させる。
 これは、「教養科目」でも応用可能で、「国家間で紛争(戦争)が起きたとき、各々の専門分野で、何を一番最初にするか?」という論題を投げかける。法学部、経済学部、社会学部、医学部など、学部によるグループ分けをして、各々でGroup Discussionした後、Class Discussionで発表し合うことにより、紛争時における「社会の仕組みや問題点」を分かち合い、理解し合えるようになる。
この「Active Learning」には、博士人材育成の目的の他にも、様々な質問があり、本学教員の興味を惹いたようだった。

(総合研究所 上地直美)