公立大学法人名桜大学

 

平成26年度 人間健康学部 看護学科 臨地実習報告


治療・回復過程実習

「焦らず、弛まず、怠らず」患者・家族に寄り添って

  治療・回復過程実習は、沖縄本島中北部で急性期医療を担う4施設(沖縄県立北部病院、北部地区医師会病院、沖縄県立中部病院、中部徳洲会病院)で行いました。急性期にある患者は、身体に大きな侵襲を受け、迅速かつ適切な医療的介入を必要とします。患者は循環機能、呼吸機能など生命維持にきわめて重要な身体機能に支障を来し、痛み、呼吸苦、発熱、倦怠感などの苦痛症状を呈しています。患者の家族もまた、急激な変化に戸惑っています。そのような状況にある患者、家族への看護実践を学ぶために、救命救急センター、集中治療室、手術室、人工透析室等の特殊な環境下で見学実習した後、外科系病棟で急性期患者を受持ちます。
 病棟実習で手術療法を受ける患者を受け持った学生は、術前〜術中〜術後の刻々と変化する患者理解のために病態治療を猛勉強し、急性期状況を脱せられるような援助・心身の苦痛緩和を考え、現場の指導者の支援を受けながらケアを提供しました。辛い時期に寄り添い、強い信頼関係を築いた学生と患者様は、実習終了時に別れを惜しむ姿も見られました。

総評:清水かおり(看護学科 上級准教授)

下地紀靖(看護学科 准教授)

西田涼子(看護学科 助教)

野崎希元(看護学科 助手)


対話を通し、苦痛・不安の緩和につなげる

4年次 桃原 典史 (沖縄県立向陽高校出身)

  治療・回復過程実習は、一番思った通りにいかなかった実習でした。実習前は、術前〜術後の侵襲による患者の急激な身体の変化を見ながら、迅速に対応し、苦痛を緩和できる関わりをする実習と考え臨みました。実習開始時は、受持患者の術後の回復は教科書通りに進むという先入観を持ち、ケア計画も立てていました。しかし、患者は術後1週間もICUで過ごし、その間、発熱、ドレーンが抜けない、ドレーンの再挿入など、自分の予想と違う経過を辿りました。受持患者は入院前に畑仕事をしており、ICUという特殊な環境に居ること自体が辛かったようで、家族に会いたい、家に戻りたいなど、元の生活に戻りたいという思いがとても強くありました。また、患者は医師の説明に「分かりました」と笑顔で頷いていても実はあまり理解していないことや、痛みがあっても我慢していることも分かりました。
 この実習を通して、患者が今どんな状態にあるのかというのを、患者自身もちゃんと把握できるようにすること、ICUという環境に居るだけで、苦痛や不安が充分あると思うので、声かけや対話をしながら、どれだけ苦痛や不安を緩和できるかを考えることが大切だと学びました。


地域看護実習

  今年度の地域看護実習は、4年次生88人が6月~7月に、保健所(2カ所)と市町村(24カ所)にて3週間の実習を行っています。
 地域看護実習の目標は、地域で生活するすべての住民の健康を保障するために、住民と協働した地域看護活動を学ぶこと、地域のケアシステムを活用した健康課題の解決方法を学ぶことです。学生は、住民一人一人の健康を守ることや、地域集団の健康を守り、疾病を予防するための公衆衛生活動を実習させていただき、地域住民の健康を住民とともに考えること、そして生活を支える保健業務の実際を学びました。特に、住民の方々への健康教育と家庭訪問による個別支援では、住民の健康に責任を持ち、誠意をもって対応することを学びました。何よりも学生は、実習を通して保健師の「地域をつくる・まもる」という熱い思い、その使命感に感動したようです。
 繁忙な保健師業務にも関わらず、保健師を中心とする関係者の皆様のご丁寧なご指導をいただき、学び多き実習でありました。

総評:永吉ルリ子(看護学科 教授)

比嘉憲枝(看護学科 上級准教授)

仲本優子(看護学科 助教)

島袋尚美(看護学科 助教)

松田めぐみ(看護学科 助手)


地域看護実習を通して学んだこと

4年次 稲福 南海(沖縄県立西原高校出身)

     稲嶺 李緒(沖縄県立コザ高校出身)

  私たちは、6月16日(月)から3週間、宜野湾市保健相談センターで実習をさせていただき、母子保健・成人保健等の保健事業に参加させていただきました。
 保健師は、個々に合った支援方法を提供するために、疾患ばかりに着目するのではなく、地域住民の健康を把握し、多角的な視点で考え、地域住民の生活全般をとらえて「その人らしさ」を考えながら支援を行っており、その意欲的な姿勢の大切さを学びました。 また、保健事業では、対象者の方々が新たな知識の情報を得るだけでなく、似た境遇にある方々同士の交流・情報共有の場となるということや、健康不安を相談できるとても大切な場であることを学びました。
 今回の実習では、地域に密着し、親身になって支援を行っている保健師の姿を見て、保健師への就職も考えるきっかけになりました。まだまだ未熟で学ぶことも多くありますが、できる限りの経験を積み、保健師として地域の方々へ関わることができたらいいなと感じる実習となりました。