公立大学法人名桜大学

 

第5回名桜大学国際学群公開シンポジウム

 平成26年2月1日(土)、第5回名桜大学国際学群公開シンポジウムが名桜大学多目的ホールにて開催されました。今回のテーマは「国際観光地『沖縄』の可能性-観光産業の戦略と人材育成-」です。基調講演に一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー会長の上原良幸氏と、ヒルトンワールドワイド社日本地区開発統括部部長の藤本博久氏を招聘し、国際観光リゾート地形成に向けた沖縄の方向性と人材育成について講演をいただきました。

 沖縄における観光産業を取り巻く環境は変化を続けています。交通インフラの整備の進展、外資系ホテルの参入、行政による取り組みの多様化、LCCの参入による競争の激化および旅行形態の変化、少子高齢化や景気の低迷などによる国内マーケットの縮小、アジアを中心とした外国人観光客の増加などをあげることができます。

 その中で、沖縄は国際的なディスティネーションとしての競争力を有しているのであろうか。また、このような環境の変化に対応する柔軟性があるのだろうか。このような観点から観光産業の国際観光地化に向けた戦略、環境変化への対応についてのビジョンとそのための人材育成について議論することが本シンポジウムの目的です。

 基調講演者の上原氏は、沖縄観光の現状を踏まえたうえで外国人観光客誘致の重要性を改めて強調し、ハード整備に加えて、沖縄の魅力を伝える知識、語学力とコミュニケーション能力を備えた人材の育成は沖縄観光の最大の課題であると指摘しました。資源に恵まれた「天賦の魅力」を活かすためには、労働環境を含めた観光産業の安定化が必要であるということを提言しました。

 もう1人の基調講演者の藤本氏には、人材育成とマネジメント、そして情報化という観点から世界規模で展開するホテル産業の戦略についての講演をいただきました。レベルに応じた自社の社員トレーニングプログラムを参考に、人材育成においては語学力のみならず人間力が重要になることを強調しました。

 第2部のパネルディスカッションでは本学准教授の宮城敏郎氏をコーディネーターとし、2人の基調講演者に加えて3人のパネリストに登壇していただきました。株式会社タイム・アンド・タイド代表取締役の白川豊氏は、沖縄観光の魅力を再考し、宿泊客とホテルスタッフ会話を活用したコミュニケーションおよび口コミ効果という「伝える」力の大きさを指摘しました。ホテル・オリオン・モトブ社長の澤岻幾郎氏は経営者の観点から現場の処遇改善と、観光地の電線地中化などの景観を事例に産業と行政が一体となったまちづくりの重要性を強調しました。最後に、本学准教授の平野典男氏は大学における観光の人材育成について考察しました。沖縄の観光産業の重要課題の1つは確固たるサービス文化の形成であるとし、大学においては現実を理論との関連で捉える観光学の重要性を踏まえ、体系的な基礎知識、専門知識、経験値、人間力で構成されるマネジメント力の向上に関する教育の強化を提言しました。

 今回のシンポジウムでは、観光の第一線で活躍する講演者を招聘し、沖縄観光の今後と大学における観光教育の1つのあり方を提言できたのではないでしょうか。さらなる議論の進化と、さらなる教育の質の向上を目指し、次回の発展的課題にしたいと思います。

総評:大谷 健太郎(国際学群 観光産業教育研究学系長)
 

       
基調講演者 上原良幸氏      基調講演者 藤本博久氏          パネリスト 白川豊氏

       

パネリスト澤岻幾郎氏               パネリスト平野典男氏          コーディネーター宮城敏郎氏


パネルディスカッションの様子