公立大学法人名桜大学

 

平成25年度国際学群海外インターンシップ報告

国際化の進むアジア諸国にて研修に臨む

 海外インターンシップは、学生の海外における企業等における実習並びに生活を通し、国際感覚、国際的ビジネスマインドを養い、世界に羽ばたける人材を育成することを目的として、沖縄の地理的優位性を生かし国際化の進むアジア諸国を研修先として実施してきました。
 今年度は、グランドブルーウエーブホテル・シャーアラム(マレーシア)及び沖縄ツーリスト台北事務所(台湾)に加え、ホテル・ロイヤル・タイペイ(台湾)、ホテルインターブルゴー大邱(韓国)及びハナツアー済州(韓国)へ9人の学生を3~4週間派遣しました。派遣に先立ち事前学習(座学)及び北部の企業(ホテルマハイナウエルネスリゾートオキナワ、沖縄ツーリスト株式会社名護支店及びオキナワマリオットリゾート&スパ)での研修を実施し、帰国後は報告会(名桜大学祭期間)及びレポートを提出してもらいました。
 今回の成果としては、新たな派遣先を加えることができたことにより研修参加者は9人(昨年対比+5人)となりました。学生は各人真摯に研修に取り組み、研修先から高い評価を受けていました。新規派遣先の中には、学生の外国語能力等に対する懸念や研修コストに見合う効果が得られないとして、研修受け入れをためらっていた企業もありましたが、学生の真摯な取り組みは、次年度以降の研修継続を可能なものにしたのではないかと思います。インターンシップ終了後の報告ならびにレポートからは、学生の1)就労意識向上、2)観光産業に対する理解の深化、3)社会的スキルや責任感、ホスピタリティマインドの向上、4)外国語コミュニケーション能力の向上、5)自身の欠点・課題への気付き等、人間的成長の跡をうかがうことができました。

総評:新垣 裕治(観光産業教育研究学系 教授)


名桜大学祭での報告会(10月26日)


「お客様への気遣い」がホテルで働く上での心構え

派遣先:グランドブルーウエーブホテル・ シャーアラム(マレーシア)

米盛 ネネ(観光産業専攻3年次、沖縄県立八重山高校出身)

 研修で得た成果は「ホテルで働く上での心構え」です。「常にお客様のことを第一に考え、どのようにすればお客様に喜んでいただけるか」については、すべてのサービス業に共通していますが、ホテルの場合だと、「どのようにすればお客様に快適に過ごしていただけるかを考え、工夫、行動していくこと」が大切です。例えば、レストランやフロントオフィス等、お客様と直に接する機会のある部署ではもちろんですが、ハウスキーピングやキッチンスタッフ等、お客様と接する機会のない部署にいても、お客様のことを気遣うということがホテルで働く上で大切な心構えだといえます。
 グランドブルーウエーブホテル・シャーアラムは、イスラム教徒のお客様向けサービスに力を入れており、日本のホテルではなかなか見ることのできないサービスがあることを知り、国や地域によってホテルの形態は様々であると学ぶことができました。
 海外で研修させていただくことで、視野が広がり、就職の選択肢が国内から海外へと広がりました。さらに、現地のホテルスタッフやインドネシアからの研修生と交流することができ、交友関係も広がりました。この研修で知り得たこれらのことを、これから始まる就職活動や将来に生かしていきたいです。


身だしなみや姿勢に気を使います(左が筆者)


 


旅行に関する幅広い業務を学ぶ

派遣先:沖縄ツーリスト台北事務所(台湾)

岡野 亜美(観光産業専攻3年次、鹿児島県立川辺高校出身)

 この研修に参加し、旅行業の具体的な業務内容や流れを理解することができました。特に海外研修では、沖縄の施設との連絡、連携はもちろんのこと、ショールーム見学や提携している他の旅行会社との業務、観光コンベンションビューローとの関係性や連携等、事務所外の業務も見ることができ、外とのつながりの重要性を感じました。
 また、研修の中で、海外に行く際の書類作成代行等、手続きの簡略化が空港での混雑緩和、負担を減らすことを身をもって体験しました。それから、海外でお客様を迎える立場での業務も間近で学ぶことができました。
 さらに、台湾における日本語対応力の高さ、地域住民の観光に対する前向きな姿勢を感じ、業務以外の場所で高いホスピタリティを学びました。

沖縄ツーリスト台北事務所にて(右が筆者)

 


ホテルの情報を全て把握して業務に臨む

派遣先:ホテル・ロイヤル・タイペイ(台湾)

野田 あやめ(国際文化専攻3年次、静岡県立御殿場南高校出身)

 研修を経て、私は3つのことを学びました。1つ目は、お客様のニーズへの対応です。お客様の求めているものを素早く察知し、行動に移すことができました。2つ目は、レストランやカフェのみを利用する中国語を話すお客様への対応です。初めは分からなくて困惑し、周りのスタッフに助けられてばかりでしたが、最終的には1人で対応することができました。3つ目は、主な仕事内容の把握ができたことです。
 研修生だからといって、中途半端な気持ちで業務をさせないという笹谷総支配人の配慮から、ホテルに関する設備や部屋の形態等、全ての情報を覚えているか試験が行われました。その試験の9割以上を取得できなければ働くことができないという厳しい条件でした。その試験に合格し、無事働くことができましたが、ホテルの情報を確実に覚えたことにより、お客様の質問に対しスムーズにお答えすることができました。
 他にも、笹谷総支配人との中間面接、最終面接、エスコートの実践試験があり、合格することができ、研修の最終日に修了書をいただきました。この修了書は、就職活動の際にホテル業務への適格性を示す認定証としての重みのあるものです。この修了書をいただいたことで約1カ月間の研修での成果を形として残すことができました。

笹谷総支配人からいただいた修了書を手に(中央が筆者)

 


似ているようで異なる日本と韓国のコミュニケーションスタイル

派遣先:ハナツアー済州(韓国)

真田 吉宰(観光産業専攻4年次、大阪府立佐野工業高校出身)

 研修では、学内だけでは知りえない、業界の話や旅行会社の理解を深めること、また社長や上司に対しての言葉遣いや、人との付き合い方を学ぶことができました。
 ハナツアー済州の事務所では、毎日のように社長の指示が飛び交っていました。社長室には入れ替わりに社員の方が出入りし、その度に社長が声を上げて指示をします。時には怒鳴り声も聞こえることもありました。社長の声が聞こえる度に、社会に出るということ、企業で働くということは、責任が付きまとうものだと感じさせられました。
 その他、社長と上司の言葉遣いに苦労しました。日本と韓国は文化が似ていますが、社長と上司への言葉遣いが若干異なることがあります。上司には失礼でない言葉も社長に使ってしまうと軽率になってしまうことがあります。研修前半では、その違いに気付けませんでしたが、日を追うことにその違いに気付くことができたのは重要なことでした。
 また、社長には研修中に2度食事に連れて行ってもらう機会がありました。日本語も流暢で、姿、立ち振る舞い全てが洗練されており、私の理想の上司、社長像になりました。社員の方々も温かく歓迎してくださり、最後までよくしていただきました。次回、済州島を訪れた際には、ご挨拶に伺いたいと思います。

ハナツアー済州の社員の皆さんと(前列右が筆者)


韓国語・英語・ジェスチャーをフル活用し積極的にチャレンジする

派遣先:ホテルインターブルゴー大邱(韓国)

斉藤 晏(観光産業専攻3年次、熊本県立鹿本高校出身)

 今回の研修は、韓国語が十分ではない状態で参加しました。想像以上に、話せない、聞き取れないことがありましたが、韓国語に英語やジェスチャーを交えて、積極的に学ぼうとする態度で臨むことで、スタッフからホテルについて様々なことを丁寧に教えていただきました。海外研修では、現地の言語をしっかり学んでいく必要があると反省しました。
 日本のホテルと比較してみると、韓国のホテルはおもてなしの心やスタイルに違いがありました。国が異なれば文化も異なる。国が同じでも人の価値観はそれぞれ異なる。そうした中で、いかにスタッフがお客様の満足度を100%に近づけるおもてなしができるかを考え、実行していくことが必要であると感じました。
 ホテルインターブルゴー大邱には、韓国語、英語、中国語、日本語が話せるスタッフがいて、語学能力が高いだけでなくPCスキルも非常に高かったことが印象的でした。日本人は、韓国人に比べ、外国語に対する抵抗を感じるためか、人前で話すことに引け目を感じる人が多いように感じます。しかし、今回研修に参加させていただいて、人前で話すことに楽しみを覚え、何事も自ら積極的にチャレンジする姿勢が身に付きました。
 さらに、日本から一歩出たことにより自分に足りないものを痛感し、今あるものをさらに伸ばし今後の大学生活に生かしていきたいと感じました。この経験は今後の成長のためにも良い経験となり、人生の中で心に残るものとなりました。

名桜大学祭期間中に行われた報告会にて