公立大学法人名桜大学

 

平成25年度 人間健康学部 看護学科 [ 臨地実習報告 1]

ケアリング文化実習

   ケアリング文化実習は沖縄の文化や歴史を継承しながら、地域で生活する住民、特に高齢者や障がい者等とふれあい、彼らの人生や生活、地域の絆やケアリング文化をゼミの仲間や担当教員と協働しながら学ぶことを目的とした実習で、他大学にはない名桜大学看護学科の特色ある1年次の科目です。
   6月に実施した北部と読谷村の戦跡巡りでは、足場の悪いガマの内部数十メートルまで全員が懐中電灯を照らしながら歩くことで当時の過酷で悲惨な状況が克明に伝わり、命の尊さ、平和のありがたさ、教育の重要性等を感じ取り、平和の継承について真摯に考える貴重な時間となりました。9月にはハンセン病後遺症の療養施設で入所者の方々とふれあい、差別・偏見・迫害の歴史的な事実を知り正しい知識や基本的人権の尊重の重要性について学びました。9月以降の地域の方々とのふれあいでは、豊年祭や運動会、清掃活動等に積極的に参加し、地域の健康課題や青年層の地域行事への参加が減少している事実を目の当たりにし、看護学生としてできることを考えるきっかけになったと思います。今後も継続して自ら楽しみながら地域へ参画し学習を深めることを期待します!

総評:ケアリング文化実習担当 永田 美和子(看護学科 准教授)

 

積極的にコミットメントし、文化を継承しよう!

1年次 伊禮 千咲(沖縄県立具志川高校出身)

 戦跡巡りでは、読谷村のガマを訪れました。今回の戦跡めぐりを通して、戦争当時の「命」に対しての考え方や悲惨さを知り、ガイドの方の「戦争とは人間が人間でなくなること」という言葉に衝撃を受けました。戦争を体験している方々が、お年を召される中で次世代に伝える架け橋が今の私たちの世代であることを改めて実感させられました。
 ハンセン病後遺症療養施設の実習で会長の講話を通して、施設の歴史やハンセン病の歴史を学ぶことができました。また、入所者との交流から、当時あった偏見について知ることができました。これらの体験から、正しい知識を身に付けること、自ら正しい情報を見きわめ選択することの大切さを実感しました。
 地域のふれあい活動では、地域の歴史と文化を引き継いでいくには、活発な地域の住民同士の交流の場が必要で、そのため、高齢者以外の婦人や青年・子ども達に呼びかけ自分が住んでいる地域の行事に興味を持って積極的に参加し交流を図る必要があると学びました。
 ケアリング文化実習を通して、主体性を身につけ地域に積極的にコミットメントし、私たち若い世代が、文化継承への責任を持つことが必要だと感じました。

羽地地区老人婦人運動会に参加



総合看護実習

  4年次の総合看護実習(以下、総合実習)は、卒業前の最後の臨地実習です。「1年から4年までに修得した看護の実践能力の評価をふまえ、自己の課題を明らかにし、保健・医療・福祉の包括的な視点から看護の総合的な実践能力を高めること」を目的として、8月から9月の間でそれぞれに2週間の実習を行います。各学生が希望した領域で実習するのも特徴の一つです。
  総合看護領域の総合実習は平成23年度から開始し、今年で3年目になりました。3年次までの実習が個々の患者に対する看護計画の立案・実践・評価が中心になるのに対して、総合看護領域の総合実習は、看護マネジメントを中心にした実習です。また専門職連携教育として他職種の業務も経験及び見学し、他職種と協働しながらチーム医療を支える看護マネジメントのありかた、複雑化する医療サービスの現場での看護の役割を考えることを大きな目的にしています。学生たちは、これまでの実習との違いから、最初はとても戸惑っていました。しかし他部門や看護部、病棟での夜勤実習などを終了するころには、病院全体の組織や他部門との連携を意識することが、患者のニーズに適した看護を行うためにも重要であることを理解できていました。

総評:総合看護領域 横川 裕美子(看護学科 教授)

 

〔実習生の感想より〕

1.事前学習について

・早めにグループで集まり教員と話し合いを持っていたため、事前学習のポイントを押さえることができました。

・目的意識を明確に持つことができました。

2.実習内容について

・予想していたより看護部と他職種の連携が分かりやすかったです。

・今までの実習では学べないことが学べたので、学びとしては予想以上でした。

・難しく考えていたが、他職種連携が理解できました。

・経営やサービス等についてディスカッションができました。

・新人看護師への教育体制や研修、心構えも聞けました。

3.実習指導者への感想や要望

・インタビューにも丁寧に答えてくれて、受け入れがとても良かったです。

・疑問に思ったことを話せる雰囲気でした。

・学生がより良く学べるように人員や環境を整えてくれていました。

 総合実習の学びをカード・メソッドでまとめました
実習生氏名(左から山根泰輔・小橋川周斗・澤岻秀人・瑞慶覧千菜)


公衆衛生看護実習Ⅰ

 公衆衛生看護実習Ⅰは、看護学科2年次を対象として、前学期に1週間の実習を、総合健診センター4カ所、事業所3カ所の計7カ所で地域実習を展開しました。
 総合健診センターにおいては、健診機関の役割機能、システム化等学び、また、人間ドック・労災二次健診・住民健診の展開方法等を見聞しました。そのことから、総合健診センターで働く専門スタッフや保健師等看護職の役割・機能を学ぶことができました。
 事業所においては、職場の環境管理・作業管理・保健師による健康相談・健康教育等を見聞し、職場の安全管理・健康管理体制等を深く学ぶことができました。
学生は、実習目標である個人・集団における健康課題、健康増進に向けた公衆衛生看護活動の視点、保健指導の基本等理解することができました。 実習施設の関係者及び指導保健師等の協力で、素晴らしい実習ができましたこと、感謝申し上げます。

総評:地域看護領域 永吉 ルリ子(看護学科 教授)

 

「公衆衛生看護実習Ⅰ」の学び

2年次 山城 里菜(沖縄県立首里高校出身)

 8月26日(月)~29日(木)に公衆衛生看護実習Ⅰがありました。私は、沖縄銀行で実習を行わせていただきました。沖縄銀行では、本店内見学及び窓口業務デスクワーク体験、ミニ健康展(禁煙キャンペーン)への参加、産業医面談の見学、産業保健師業務について学び、さらに、産業保健師へインタビューを行いました。
 今回の実習を通して、産業保健師は労働者の健康の維持・増進を図るため、また、職務上起こりうる健康問題を、改善・予防するために作業管理・作業環境管理・健康管理の側面から、様々な活動を行っていることを学びました。産業保健師は、病気には罹患していない社員を、お客様側からは見えない部分で支えている、重要な役割を担っております。企業に欠かすことのできない存在であると感じました。実際に健康教育教室の一環であるミニ健康展に参加して、対象者一人一人に合わせたアプローチを行うことの難しさを痛感しました。
産業保健師業務も看護師業務と同様、対象者一人ひとりニーズに合わせた支援を行うことや、健康問題を見抜く力、コミュニケーション能力が重要であると学びました。 今後の実習等で培っていけるよう努力していきたいです。

 ミニ健康展(禁煙キャンペーン)へ参加しました
 


治療回復過程実習における学生の学び

 治療回復過程実習は、県内4施設(県立北部病院、北部地区医師会病院、県立中部病院、中部徳洲会病院)で行われ、いずれも沖縄本島中北部の医療圏の救急医療を担う中核病院であり、その中で行われる医療や看護体制は最先端といっても過言ではありません。
 治療回復過程実習は、ER、集中治療室、手術室、人工透析室等の特殊な環境の中で、救急救命の最前線での見学実習後、急性期病棟で急性期の患者のケアを担当します。
 急性期の病棟実習では、急激な病気の進行で人工呼吸器が装着され、苦痛の表情を呈している患者に対して、学生は涙ぐみながらも、勇気を振り絞り患者に必死に優しい声掛けを行う等、患者の支えになることの責任の重さに押しつぶされそうになりながらも立ち向かう学生を目の前にして、保健医療職の専門職を目指す覚悟の芽生えを感じました。看護学科の「ケアリング」を大切にする教育を実践して、「これで良かったのだ」と実感した瞬間でした。

総評:金城 利雄(看護学科 教授)
清水 かおり(看護学科 准教授)
下地 紀靖(看護学科 講師)
玉井 なおみ(看護学科 助教)
西田 涼子(看護学科 助手)

治療回復過程実習から学んだこと

4年次 當間 愛(沖縄県立具志川高校出身)

 今回の実習で急性期にある患者は、生命に与える影響が大きいことから、観察力とその場での正確なアセスメントがとても大切だと学びました。急性期病棟では、早急な対応が重要となる一方、「昨日まで元気に過ごしていたのに目を覚ましたら病院にいる」という急激な状況の変化を経験する患者に対し、限られた時間の中で精神面の支援が大切なことを学びました。また社会的に与える影響も大きく、社会復帰のために自立を促す回復期の援助の重要性、地域連携室等との情報共有を通して、多職種で連携し支援することの大切さも学ぶことができました。
 患者との関わりを通して学んだことは、入院中は治療だけを優先するのではなく、入院したことによりこれまでの生活ができなくなる苦痛を考慮し、患者のこれまでの生活を崩さず、できるだけ日常の生活ができるよう援助することが大切だと感じました。
これらの経験を生かしてさらに成長していきたいと思います。


 

地域看護実習

 今年度の地域看護実習(3週間)は、6月~9月にかけて保健所(3カ所)と市町村(24カ所)にて4年次生95人が実習させていただきました。地域看護実習の目標は、地域で生活するすべての住民の健康を保障するために住民と協働した地域看護活動を学ぶこと、地域のケアシステムを活用した健康課題の解決方法を学ぶことです。
 地域看護実習では、健康を守りつつ疾病を予防する公衆衛生活動を実習させていただきました。特に住民の方々への健康教育と個別支援の家庭訪問では、地域住民の健康を住民とともに考えること、そして生活を支えることの責任の重さを学んだ学生が多くいました。何よりも学生は、保健師の「地域をつくる」という熱い思いに感化されたようです。
 繁忙な保健師業務にも拘わらず、保健師の皆様のご丁寧なご指導をいただき、学び多き実習をさせていただきましたことに厚くお礼を申し上げます。

総評:永吉 ルリ子(看護学科 教授)、比嘉 憲枝(看護学科 講師)、
仲本 優子(看護学科 助教)、松田 めぐみ(看護学科 助手)

地域看護実習を通して学んだこと

4年次 三島 千尋(兵庫県立芦屋高校出身)     西江 志乃(沖縄県立浦添高校出身)

 私たちは、6月17日(月)から約3週間、伊是名村で地域看護実習をさせていただきました。伊是名村の公衆衛生看護活動では、多くの地域行事に参加させていただき、様々な世代の住民の皆さんと関わる機会がありました。実習期間中は、自分自身でその地域を見て、歩き、感じて、そして住民の皆さんと話すことで得た学びが多くありました。

 離島における市町村保健師の役割・機能や保健活動、住民に寄り添った関わり方、住民の目線を大切にした健康課題の明確化など、座学では決して学ぶことのできない貴重な実習となりました。
 

 また、実習学生は、実習から衣食住まで3週間の生活を共に過ごしました。切磋琢磨しながら課題学習に取り組むことの重要性を再認識したと同時に、改めて仲間がいることの心強さや大切さを実感しました。
 今回、実習で得た多くの学びは、私たちの大きな糧となりました。将来の夢に一歩ずつ近づいていけるよう、残りの在学期間も勉学に励んでいきたいと思います。(執筆:西江)
 

 伊是名村の住民の皆さんを対象とした健康教育