公立大学法人名桜大学

 

日本語・日本文学セミナー—「読む」ということ—

2013年8月9日(金),名桜大学総合研究所にて日本語・日本文学セミナーを行った。今回は「読む」ということをテーマに,伊藤・小番により2コマ構成にて実施した。 まず,伊藤による「読むことを教える―さまざまな「読み方」を身につけよう―」では,一口に「読む」といっても,実はさまざまな読み方をしていることについて,紹介があった。語→句→節→文→文章/段落と小さな単位から大きな単位で読みすすめるボトムアップモデル,また,あらかじめ目的や予測があり,それらと照合させて読みすすめるトップダウンモデル,そして予測していく際に頭の中で使われている「スキーマ」についての紹介,読み方の方策「ストラテジー」についての紹介があった。最後に,国語・日本語教材を例にどのようなモデルを使って読みすすめているのか,例をあげての説明があった。

 次に,小番による「古典文学を読む―〝清む〟?それとも〝濁る〟?―」では,まず,『枕草子』「春はあけぼの」(古活字本)などを例に古典作品には句読点とともに濁点も付されていない本文が多いことを確認した。その上で『大鏡』「師輔」の一節を示し,濁点の有無(で/て)によって文意が変わること,濁点を付すか否かは読み手の解釈に委ねられることの説明があった。また,語の訓(よ)み(「耀く」【かかやく】・「静」【やすむ】)の根拠資料として古辞書(『類聚名義抄』・『日葡辞書』)の字訓例について説明があった。