公立大学法人名桜大学

 

小嶋洋輔准教授が第12回日本キリスト教文学会賞(研究・評論部門)を受賞

 第12回日本キリスト教文学会賞が発表され、本学の小嶋洋輔准教授(国際学群 国際文化教育研究学系)が平成24年12月に刊行した「遠藤周作論―『救い』の位置」が、研究・評論部門で受賞しました。
 同学会は、「キリスト教と文学」を洋の東西を問わず学問的主題として研究する学会として、1971年より全国大会、研究会等の活動が行われています。1983年からは学会誌『キリスト教文学研究』が発刊され、本年で30周年を迎えたそうです。日本キリスト教文学会賞は、2000年より、「創作部門」と「研究・評論部門」(日本文学・外国文学)の二部門三種類に分け設けられ、その年度に刊行された「キリスト教と文学」について研究した優れた著作が学会員の推薦によって、集められ選考されてきました。
 第12回日本キリスト教文学会賞は、「創作部門」受賞作無し、「研究・評論部門」で二作が受賞、その内の一作が小嶋准教授でした。
 平成25年5月12日(日)に、関西学院大学西宮上ヶ原キャンパスで開催された、日本キリスト教文学会第42回全国大会において授賞式が行われ、小嶋准教授に関口安義会長より賞状が手渡されました。


 受賞にあたっての一言

 この度はこのような歴史ある賞を賜り、心から嬉しく思います。選定された書籍は2005年に千葉大学に提出した学位論文「『遠藤周作』論―文学と救いの位置」の一部となった論と、それを書き上げる上で考察の必要を感じた問題を後に論文化したものを大幅に加筆、修正したものから成っています。大学院博士課程に進んだのが2002年のことでしたから、10年間に積み上げた「遠藤周作論」をまとめたものともいえます。先の見えない長い非常勤講師暮らし、結婚、3年前の沖縄移住と、様々なことがあった10年でした。
 本書の内容は、戦後、高度経済成長期、世紀末という時代を生き、その時代時代が持つ多様な側面に適宜対応していった作家遠藤周作と彼の言説、作品を、その周辺と照応させることで位置づけようとしたものです。ですが、本論のスタンスの基盤ともなった一連のオウム真理教をめぐる事件の衝撃からも18年が経過し、この試み自体も「十年一昔」ということで、相対化が必要な時期にあるように感じています。そして、その相対化作業にこの沖縄の、山原の風土は良い影響を与えてくれる、そういった根拠のない直感を抱いています。これからは、キリスト教、宗教の問題に限らず、時代性ということで問題意識を広げ、「沖縄」という問題についても考えてゆきたいと考えています。



 瀬名波榮喜学長と山里勝己副学長に受賞を報告した小嶋准教授