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平成29年度国際学群 国際文化専攻・語学教育専攻[現地実習 沖縄コース報告]

沖縄コース総評

 今年度の沖縄コースは、7月16日から17日に伊江島を訪問、また8月29日から9月4日の期間に、与勝諸島および宮古諸島、八重山諸島地域へ赴き、様々な体験実習を行いました。

 伊江島では、ニャーティヤー洞穴や阿波根昌鴻関連施設等を巡見しました。反戦平和資料館では館長の謝花悦子氏より参加学生へ向けての温かく、かつ力強いメッセージをいただきました。学生たちは単に次代を担うのではなく何を受け継ぐのかということの難しさと大切さを実感した様子でした。夕食には参加学生たちによるカレーを振る舞ってもらい、参加学生(津覇泰斗さん)の親戚の方から飲み物やゆで卵、スイカ、サーターアンダギー等をいただき、沖縄のシナサキ(志情け)文化を有難く味わうことのできた実習でもありました。
 
 8月29日には与勝諸島を巡見、平安座島で首里王府編纂の歌集『おもろさうし』(16~17世紀)にも歌い込まれた与佐次井戸(ユサジガー)と称される井戸を見学、ノロ(神役女性)の神具である勾玉を洗い清める神聖な場所であったことを学び、単なる井戸ではなく、『おもろさうし』につながる貴重な文化財的価値について再認識したようでした。
 
 8月30日に宮古本島へ移動、本島および周辺離島を巡見しました。着いてすぐ『あやんつマップ』(史跡案内ハンドブック・宮古島市発行)を手掛かりに、徒歩にて史跡を巡検しました。驚かれたのは湧川マサリャ御嶽が、付近の拡張工事のために整理された可能性があったことです。これは御嶽信仰の厚い宮古ではかなり珍しい現象であり、現在確認中です。
 
 9月1日から八重山へ移動し、石垣島では石垣市立博物館、宮良殿内、桃林寺などを巡見、また八重山独特の盆行事アンガマを見学、更に照屋が担当して初めて波照間島へ赴き、波照間独特の盆行事ムシャーマでの奉納芸能稽古等を見学しました。
日本および琉球文化圏における文化の多様性を目の当たりにすることができ、例年以上に非常に有意義な実習となりました。
 
 最後に、連日の猛暑の中、体調を万全に整えてしっかりと実習について来てくれた5人の参加学生の皆さんと、今年度も引率を担っていただいた屋良健一郎先生に感謝いたします。
 

 総評:照屋 理(国際文化教育研究学系 上級准教授)

 
 

波照間島・日本最南端之碑にて

 

 


 

 

   足元を見る

 

伊藤 あかり(国際文化専攻4年次、沖縄県立中部農林高校出身)

 

 
 私が沖縄コースに参加したきっかけは、沖縄の離島に住んでいるにもかかわらず、文化や歴史を知らない自分がいたからです。
 
 実習で訪れた伊江島・ニャティヤガマの中には、子授け神である男女の神が祀られ、ビジル石というものがあります。この場所以外にも石を積み上げている箇所がいくつもあり、聖域であることを感じました。次に訪れた平安座島は、私の地元であり、車で行ける離島です。周辺に位置する浜比嘉島や宮城島、伊計島を含めた四島全域は『神の住む島』と呼ばれ、与佐次川という聖地や琉球開闢の祖神が眠る墓・アマミチューなど見ることができました。この機会がなければ訪れることはなく、改めて自身の過ごした島を見ることができたようでした。宮古島では『綾道散歩』が印象に残っています。何時間とかけて歴史や文化遺跡を回りました。人頭税石を実際に目にすると、見下ろせるほど低く驚きました。そして、石垣島の旧盆行事であるアンガマを見られたことが、とても印象に残っています。最後に訪れた波照間島の星をあいにくの台風で見られなかったのは心残りです。
 
 この機会がなければ、私はこの先沖縄のことや地元のことを知っているふりをしながら過ごしていたと思います。とても有意義な時間を過ごせました。
 
 これから現地実習に参加するみなさん、大学生である今だからこそできる貴重な時間を大事にし、未来の糧にしてください。
 
 

 石垣島の旧盆行事・アンガマの 

男女の神であるお爺とお婆

 宮古島・宮良殿にて 

 

 

 伊江島の海にて 

 

 

自分の足元を知る

又吉 梓(国際文化専攻3年次、沖縄県立八重山高校出身)

 

 私は、現地実習沖縄コースに参加しました。沖縄コースは、沖縄県内の離島に実際に赴き、その場所にある史跡や博物館を見学したり、実際に体験したりして、「沖縄の歴史や文化への理解を深める」ことができます。
 
 今回の現地実習は、宮古島では綾道(あやんつ)マップと呼ばれる宮古島の歴史や文化に関する御嶽(ウタキ)や史跡を、実際に歩いて回りました。また、神話が残っている場所を見学し、それぞれの場所ができた経緯や意味、宮古島の人にとってどういう存在なのかを学びました。そして、宮古島の離島である大神島に渡り、その島独特の行事や島の歴史について、ガイドさんの解説を通じて学びました。石垣島では、現存している古い武家屋敷やお寺、戦争マラリアに関する資料館などを見学、また、ミンサー織の資料館の見学と実際にミンサー織作りを体験させていただき、石垣島に残る歴史や文化に触れることができました。波照間島では、日本最南端の碑やオヤケアカハチ生誕の碑など、現存している史跡を回って見学しました。
 
 今回の現地実習の成果として、私の地元である石垣島について知らないことが多く、改めて石垣島の歴史や文化を深く学ぶことができ、「自分の足元を知る」ことができました。今回の現地実習で学んだ一つ一つのことを、これからの学習に活かしていきたいと思います。
 
 
 宮古島・人頭税石を見学   石垣島にてミンサー織の体験 

 

現地実習沖縄コースを終えて

佐久川 七星(国際文化専攻3年次、沖縄県立読谷高校出身)

 

 私たち沖縄コースのグループでは、伊江島、平安座島、宮古島、石垣島、波照間島の4島を中心にそこから別の離島などにも足を運び、合計で10島以上の離島をめぐりました。私は生まれも育ちも沖縄なのですが、沖縄本島以外の離島にはほとんど行ったことがありませんでした。実際に自分で足を運び、照屋先生の解説を受けながら観光では足を運ばないような御嶽や歴史的建造物を訪れることで、自分の生まれ育った沖縄について、より知識関心を深めることができました。どの離島にも個性的な文化があり、同じ沖縄でも宮古や石垣では言葉や訛りが本島とは全く違い、沖縄の文化の多様性を改めて感じさせられました。現地実習沖縄コースは、沖縄出身の学生は自分たちの生まれた沖縄についてさらに学べ、県外出身の学生も観光地としての沖縄ではなく違う側面の沖縄について知ることができます。
 
 現地実習中、一番印象に残ったのは現地の人との出会いでした。波照間島で出会った個性的な宿のオーナーや、大神島のガイドのおじいの話を聞くことで、沖縄の魅力に改めて気づくことができました。中でも、仙台から一人で移住してレストランを営むオーナーが食べさせてくれたグァバの天ぷらの味は二度と忘れません。
 
 今回の現地実習でお世話になった照屋先生や屋良先生、一緒に参加した沖縄コースの学生、実習中にかかわったすべての方々のおかげで、無事に現地実習を終えることができ、とても感謝しています。
 
 
 二度と忘れないグァバの天ぷら 

 

 

実際に見て、体験して

津覇 泰斗(語学教育専攻3年次、沖縄県立名護高校出身)

 
 私は、現地実習沖縄コースに参加し、伊江島、平安座島、宮古島、石垣島へ行きました。実習内容は、それぞれの地域の歴史や文化を学ぶことが目的で、石碑や御嶽巡りをしました。私の母親は伊江島出身ですが、私は伊江島について何もわからず、自分に関わっている地域のことは知らないといけないと感じていました。伊江島は沖縄戦で激戦地となったということもあり、慰霊碑が多くあり、戦争を忘れさせないために作られた資料館にも行き、館長さんから貴重なお話を聞くこともできました。
 
 平安座島では海の駅あやはしの2階にある与勝半島の歴史・民俗資料を集めた「海の文化資料館」へ行きました。「あやはし」とは琉球最古の歌謡集『おもろさうし』の中に出てくる言葉で、「美しい橋」を表します。そこには、マーラン船から沖縄の海の自然・文化・海運に関係する資料や海中道路の建設についての説明が展示されていました。
 
 次に訪れた宮古島では、歴史・文化ロード綾(あや)道(んつ)を歩き巡りました。綾(あや)道(んつ)は宮古の言葉で美しい道という意味で散歩スポットとして有名です。照屋先生と屋良先生に綾道の解説をしてもらいながら、私たちは約3kmの道のりを歩きました。
 
 また、アンガマという祖先の霊を供養する行事を見るため、旧盆の時期に石垣島を訪れました。テレビで見ることはできますが、実際に見て体験することはなかなかできないので、映像では伝わらない空気感をこの実習で感じることができました。
 
 
 伊江島の反戦平和資料館で館長さんの話を聞く学生   石垣島出身のボクサー・具志堅用高の像とともに 

 

 石垣島・アンガマとともに