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平成29年度国際学群 国際文化専攻・語学教育専攻[現地実習 日本コース報告]

日本コース総評

 今年度の現地実習日本コースは、9月13日(水)から25日(月)まで12泊13日の日程で愛知県、岐阜県、滋賀県、京都府、奈良県、兵庫県を訪れました。
 
 参加学生の関心も踏まえ、和歌に詠まれた土地(歌枕)もコースに組み込みました。和歌を得意とした東常縁が拠点とした岐阜県郡上市、後醍醐天皇が拠点として独自の和歌文化が花開いた奈良県の吉野、多くの歌人に詠まれた兵庫県神戸市の布引の滝などです。これらの土地を訪れ、歩きながら、何百年も前の和歌を味わうことで、歴史を身近に感じることができたのではないでしょうか。私自身、木々に囲まれた吉野で「ここにても雲井の桜さきにけりただかりそめの宿と思ふに」(『新葉和歌集』所収の後醍醐天皇の歌)を思い出す時、京都を離れ、吉野で生涯を閉じた天皇の悲哀を感じました。また、過去の作品を味わうだけではなく、学生が各所で自分で短歌を作っていたのも嬉しいことでした。
 
 和歌に関わる場所以外にも、岐阜城や関ヶ原をはじめ、戦国時代・江戸時代の史跡も多く訪れました。博物館では、展示されている古文書のくずし字を解読しながら時間をかけて見学しました。奈良県では、奈良文化財研究所の山本祥隆先生に研究所や隣接する平城宮跡などを案内していただきました。発掘や資料の整理に関する話を聞いたり、木簡について解説してもらったりと、とても有意義な時間を過ごすことができました。山本先生および奈良文化財研究所の皆様に御礼申し上げます。今回の参加学生は平川拓磨さん一人でしたが、岐阜県在住の德田涼介さん(2014年度卒業生)や愛知県在住の西智裕さん(2016年度卒業生)、京都を旅行中だった4年生の小沼夢未さん、河野遥花さんが一部日程に参加しました。過去の日本コース参加者も一緒に学びを深めることができた点も良かったと思います。今回の実習が参加者に何らかの学問的刺激を与えることができたのだとしたら嬉しく思います。
 

総評:屋良 健一郎(国際文化教育研究学系 准教授)

 

 モネの池にて   歌枕の伊吹山 

 

 

 

 

歌枕の瀬田の唐橋 

 

 温故知新

平川 拓磨(国際文化専攻3年次、熊本県立鹿本高校出身)

 

 今回のテーマは「古今伝授の足跡を求めて」ということで、主に和歌で詠まれるような有名な場所である「歌枕」を回りました。今年、参加する学生は私一人で心配なこともありましたが、私の興味があることを13日かけて学習できたという点では幸運でした。

 活動内容は、博物館や資料館で古文書を読んだり、史跡を訪ねたり、あるいは山に登ったりと、とてもアクティブでした。奈良文化財研究所では、特別に木簡の整理作業を見学させていただけました。泥の中から丁寧に洗い出される木簡は、まるで約1300年という長い時間の中から産声を上げているようでした。
 
 私が一番感動した場所は滋賀県の伊吹山です。昔から百人一首をやっていた私にとって、一番好きな和歌に登場する「歌枕」が伊吹山でした。『日本書紀』にも登場する山の空気を吸いながら歴史のロマンを感じました。現地実習では何か個人的な目標を持つとより充実します。私は一日一首短歌を作ることが目標でした。
 
 今の時代、ついつい外国に目を向けがちになるかもしれませんが、日本にも隠れた魅力がたくさんあります。「日本国内なんて生きているうちに一度は行く」とよく言いますが、その一度は今です。「あの時代が好き」、「あの武将が好き」などきっかけは何でもいいです。世界に誇れる日本の魅力を探求したい人は、ぜひ参加してみてください。

 

 競技かるたの聖地・近江神宮にて 

 岐阜県高山市 にて