公立大学法人名桜大学

 

文部科学省 平成24年度「大学の世界展開力強化事業」短期沖縄集中プログラムを実施


去った8月6日(月)から8月20日(月)、本年度の「大学の世界展開力事業」短期プログラムのホスト校である名桜大学は、東南アジアの5大学(National University of East Timor, Syiah Kuala University, De La Salle University, Nanyang Technological University, Payap University)からの大学生・大学院生12人と教員3人、国内連携大学の大阪大学、広島大学から教職員4人を受け入れ「短期沖縄集中プログラム」を実施した。
本事業が「アジアの平和と人間の安全保障」を共通理念に掲げていることから、「短期沖縄集中プログラム」では、沖縄における戦争体験と戦後の歩み、現在の基地問題を学ぶことに重点を置いた。同時に、本事業のもう一つの目的である東南アジア諸国との交流を促すため、講義形式の学びに加え、基地所在地や市民運動・自然環境保護の現場へのフィールド・トリップや琉球舞踊・空手など文化体験の機会も盛り込んだ。
プログラム期間中、仲地清教授(大学院 国際文化研究科長)が設定した「沖縄で学んだことを出身国・出身地域の平和と安全にどう生かせるか」という課題に学生たちは真剣に取り組んだ。嘉手納基地や普天間基地の見学、ヤンバルクイナ保護の現場観察や東村高江座り込みの現場訪問、稲嶺進名護市長による講話「名護市の基地問題への取り組み」や大田昌秀元沖縄県知事による講義「沖縄戦」等の受講を通じて、「誰の視点から、どのような平和や安全を語り求めるのか」を問い「安全保障」の議論に介入する視点を学んだ。最終日には報告会を開催、東南アジア各地における米軍基地問題や「中央‐地方」間の問題を論じた意欲的な報告がなされた。初めて訪れた「沖縄」で、「平和」について学びたいという東南アジアの学生たちの意欲と情熱なしには、短期沖縄集中プログラムは実現しえなかった。
名桜大学と国内連携大学・東南アジア5大学間の交流、そして沖縄と東南アジアの相互理解の促進をめざす本プログラムの趣旨にご賛同・ご協力いただいた県内外からの講師や各機関・団体などの皆さま、関係各位に感謝申し上げたい。

総評:教務部 教育プログラム支援準備室 特任助教 上原 こずえ

 

短期沖縄集中プログラム」日程詳細

8/7(火) 講義1:「沖縄プログラムについての概要」仲地清(本学 教授)
8/8(水) 講義2:「東アジアと日米同盟」
Brad Glosserman(米戦略国際問題研究所 事務局長)
&佐藤治子(大阪大学 特任准教授)
講義3「21世紀のアジア太平洋:日本の視点」
竹内春久(外務省 沖縄担当特命全権大使)
8/9(木) 講義4「古代から近代までの琉球―沖縄史」
John Michael Purves(琉球大学・JICA沖縄国際センター 講師)
講義5「東アジアにおける平和構築、開発、人間の安全保障」
石川幸子(JICA 国際協力専門員)
8/10(金) 講義6:「琉球舞踊」比嘉いずみ(沖縄県立芸術大学 准教授)
講義7:「空手」屋宜盛弘(儀保空手道場 副館長)
8/11(土) フィールド・トリップI:名護市役所訪問
「名護市の基地問題への取り組み」稲嶺進(名護市 市長)
8/12(日) フィールド・トリップI「ヤンバルクイナ保護の現場観察」新垣裕治(本学 教授)
ゲスト講師:島袋武志(ヤンバルクイナ観察小屋)・山口修平(どうぶつたちの病院沖縄)・阿部小涼(琉球大学 准教授)
8/13(月) 講義8:「米軍基地問題の現状」佐藤学(沖縄国際大学 教授)
講義9:「沖縄戦」大田昌秀(大田平和総合研究所 主宰)
8/14(火) 講義10:「沖縄戦後史」仲本和彦(沖縄県文化振興会 公文書主任専門員)
講義11:「沖縄経済概観」平安山英雄(在沖米国総領事館 政治担当特別補佐官)
8/15(水) フィールド・トリップIII沖縄県立博物館
フィールド・トリップIV 沖縄県平和祈念資料館
講義12:「沖縄県の平和行政」仲泊和枝(沖縄平和協力センター 事務局長)
8/16(木) 講義13:「米国にとっての日米安保体制」Matthew O'Conner(在沖米国総領事館 首席領事)
フィールド・トリップV :
アメリカンビレッジ~嘉手納基地~キャンプハンセン~大学院大学~辺野古
8/18(土) 講義14~15:学生によるプレゼンテーション・「沖縄プログラム総評」
仲地清・佐藤治子・Julio Teehankee(De La Salle University教授)
フィールド・ト リップVI: オリオンビール工場 & 送別会

 大阪大学大学院の共同プロジェクト「大学の世界展開力強化事業」に伴うAceh Short Study Program は9月7日(金)から9月18日(火)まで、インドネシアのバンタ・アチェ市在の国立Syiah Kuala University を中心に開かれた。目的は日本の大学院生が、アジアに出向き、「平和構築、経済復興、市民協力」について、現地の大学での講義とフィールド体験を通して学ぶことである。日本から大阪大学の松野明久教授を団長に12人の大学院生が参加した。名桜大学からは、私と大学院生のVu Thanh Thuy さんが参加した。
アチェは2004年のスマトラ沖地震、インド洋大津波で17万人が亡くなる大被害を受けた。その模様は市の中心の存在する津波博物館に展示されている。また、町の中には、海上から打ち上げられた巨大な船が当時のまま置かれている。天災の脅威をまざまざと感じた。
一方、アチェ市は復興都市のモデルである。国際的な財政上、精神上の支援で、今では津波被害の痕跡は際立ってはいない。Syiah Kuala Universityの広大な敷地では1万人以上の学生が学んでいる。
Aceh short program の責任者のDr.Saifuddim Bantasyam (Director of Center for Peace and Conflict Resolution Studies)ほか、他講師の復興、人権、NGO活動など歴史を通して、東日本大震災と比較しながら学んだ。
松野教授は町の大衆食堂での食事を通して、町の雰囲気をつかむ工夫もした。松野教授は10年前に、アチェでNGO活動に携わったことがあり、松野平和学を追認することができた。本プログラムのねらいである「アジアマインドに立った共通カリキュラムの設立」に向けて、大変ためになった。

総評:大学院 国際文化研究科長 仲地 清 教授



インド洋大津波で海上から打ち上げられた巨大な船 サイフディン教授の講義を受ける日本からの大学院生