公立大学法人名桜大学

 

学事報告:H23スポーツ健康学科[インターンシップ報告]


人間健康学部スポーツ健康学科[インターンシップ報告]

 

 

講義棟にてインターンシップ報告会を行い、分野を交えて発表し成果を共有した

 

 スポーツ健康学科のインターンシップの目的は、社会人として働くことの意味とやりがい、組織の仕組みや仕事のプロセス、人間関係やチームワークについて学ぶことにあり、将来の職業選択に生かすために実施している。また、インターンシップを通して、健康を支援するための実践的な指導力について学び、より現場に即した知識および技術を持った「健康支援人材」の育成につながることを期待している。


発表者の報告に聞き入る学生たち


 

【一般企業分野】

インターンシップから得られる学びとは

 平成23年度、一般企業分野では、18人の学生がインターンシップに参加しました。学生を快く受け入れてくださった施設職員のご理解とご協力があったからこそ、学生全員が15日間の日程を無事に終えることができました。ご協力頂きました全ての施設職員の皆様に、心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。
今回の一般企業のインターンシップでは、13の施設にお世話になりました。株式会社メイクマン浦添店、名護市教育委員会、美津濃株式会社沖縄営業所、与那原自動車整備センター、沖縄市体育協会、国頭地区行政事務組合消防本部、伊達醸造、株式会社中央スポーツ、オタフクソース株式会社、プラネット、ノリコ理容室、座間味村役場、株式会社うえしまスポーツ、と一般企業分野は様々な業種で構成されていました。沖縄本島でいえば、国頭村から与那原町まで展開し、広島県や鹿児島県でインターンシップをした学生もいました。
4月からのインターンシップの事前学習(キャリア形成学Ⅱ)では、NPO法人"キャリアサポートここひら"を講師に迎え、指導や分野別の授業を実施しました。分野別の授業においては、「健康・スポーツ分野」、「野外教育分野」、「社会福祉分野」は、それぞれの専門性と領域が明確に捉えられる一方で、一般企業分野は、それこそ多岐にわたる業種でした。それぞれの専門性や領域も異なるので、事前学習は、希望するインターンシップ先の施設の運営や業務について調べ、仲間に報告し、話し合う活動を進めてきました。事前学習を通して、学生は、「社会に出るためのマナーや社会に出て体験するまでにやるべきことを主に学んだ」、「社会のマナーや挨拶などを学習した」、「電話応対の仕方や敬語などを学んだ」の声があり、特に、コミニケーションスキルの大切さについて理解を深めました。
以上の事前学習を踏まえて、インターンシップを終えた学生は、実に様々な学びをしてきました。彼らの言説から、「何事にもコミュニケーション能力が大切」、「積極的に働きかけ、自発的に行動することが大切」、「専門的な知識や技術を身に付けること」など、自己啓発を促す言葉が並びます。卒業後の近い将来の自己をイメージしながら、インターンシップで育まれた向上心を常に抱きつつ、これからの学生生活を有意義なものにしなければならないと思います。また15日間にわたって懇切丁寧にご指導頂いた方々の思いを決して無駄にしないよう、学生生活を充実したものにしてほしいと願います。

 

 総評:嘉納 英明(スポーツ健康学科 教授)

 

 

学生の声 Voice村民のための公務員

石川 北斗(3年次、那覇西高校出身)

                                                    村長室で村長との一枚

 私は、15日間のインターンシップを座間味村役場で行った。座間味村役場を選んだ理由は、将来の職業として公務員を強く希望しているため,実際の現場を体験できるチャンスと思ったからである。座間味村役場では、様々な行事の運営に携わらせてもらったり、村民の方たちと直接関わることができたりと、たくさんの貴重な体験をさせていただいた。特に印象深いのが、住民課の高齢者を対象にした「きっちゃき(つまずき)予防教室」である。この取り組みでは、島のおじぃ、おばぁと接することができたが、コミュニケーションを取ることは簡単ではなかった。公務員として、人を相手にする大変さを思い知ると同時に、上手くコミュニケーションが取れた時の喜びを感じることができ、やりがいを見出した。また、役場職員の方たちと話す機会が多くあった。その中の「公務員は究極のサービス業である」、「住民にとっていかに住みやすい環境を作ってあげられるか」という言葉から、役場職員の方が、「住民のために」という思いで仕事に取り組んでいることが分かった。
今回のインターンシップは、明確な目標を持って挑んだため、とても充実した。より多くのことを吸収でき、成長できたと感じている。15日間という短い期間だったが、社会の厳しさにもまれ、新しい自分を見つけることができ、人生の選択の幅が広がった。この経験を、今後の大学生活や、社会で生かしていきたい。

【社会福祉分野】

当事者から学ぶ~インターンシップ社会福祉分野を振り返って~

 今年度は、これまでで最大の25人の学生が、社会福祉分野のインターンシップに参加した。なぜ社会福祉分野を選んだのかを尋ねたところ、ほとんどの学生が明確な目的意識をもっていた。福祉そのものに関心があるという学生もいたし、高齢者や障がい者にとっての健康の意味を考えたい、学校や教師とは異なる立場から子どもと接してみたい、自分がいるスポーツの世界とは別の世界から今いる自分の世界を見てみたい、子どもの遊びを通して子どもの体力について学びたい、養護教諭を目指しているので発達障がいの子どもと接してみたいなど、今いる自分の場所とのつながりの中で社会福祉を捉えていた。 このように意欲をもってインターンシップに臨んだ結果、多くの学生が大切なことを学んで大学に戻ってきてくれた。その学びはどれも社会福祉の実践(ソーシャルワーク実践)の原則に通じるものだった。当事者との触れ合いを通して、一人ひとり皆違っていて個性があること、どの言動にも何らかの意味があること、目に見える言動だけでなく背景にある気持ち、家庭環境、成育歴などを理解すること、「~してあげる」という一方通行な関係ではなく、相手との対等感あるコミュニケーションによって関係を築いていくこと、本人の意思を尊重すること、言葉にならない心の声に耳を傾けること、などである。目の前にいる人を観察する力、その人との関係を築く力、その人の状況や気持ちを想像する力を育む中で、学生はこれまで抱いていた自分なりの人間観、福祉観、健康観、職業観、人生観をさらに豊かなものにしていったようである。何よりもスポーツ健康学科で社会福祉を学ぶ意義について、自分なりに答えを出してくれた学生が多数いたことを大変誇りに思う。このように多くの気づきをもたらしてくださったインターンシップ受け入れ施設のスタッフの皆さんおよび施設利用者の皆さん、大変ありがとうございました。心よりお礼を申し上げます。

総評:竹沢 昌子(スポーツ健康学科准教授、社会福祉士)

 


学生の声 Voice障がい者のことを理解するとは

池原 裕乃(2年次、中部農林高校出身)

希輝々スタッフと昼食

 私のインターンシップ先は、北部自立センター希輝々という障がい者の「自立」をサポートするセンターでした。希輝々を選んだ理由は、高校時代にボランティアで障がい者と関わったことがあり、障がい者にとっての自立について考えてみたいと思ったからです。
障がい者の自立とは、病院や施設ではなく、あるいは親元ではなく、障がい者が地域の中で自分の生活スタイルを選んで生きていくことです。
希輝々は、障がい者の自立生活に必要な心構えや技術を学ぶ場であり、また、障がい者と健常者が共に生きる場を作る場所でした。インターンシップ中、私は、障がい者の精神的な心のケア、食事の準備、コミュニケーション、事務作業などを行いました。
インターンシップで学んだことは、障がい者に対して「かわいそう」、「大変そう」といった同情をもってはいけないことでした。同情だけで障がい者に接してしまったら、障がい者はすぐ気付くといいます。また、障がい者の中には、自分がやりたいことや思っていることを伝えることができず、介助者に不必要に気を遣ってしまうことがあるそうです。そのことから、障がい者の気持ちをどれだけ親身になって考え、行動できるかが、必要不可欠ではないかと思いました。
さらに、障がいがあるから、サポートしてあげないといけない、サポートしてあげたいという気持ちを先走りさせるべきではないということを学びました。障がい者のことを理解したいと思うのなら、本人の言動の意味を一つ一つ確認していくことが、最も大切で必要なことだと学びました。

 

      

イベント「フィールドトリップ」にて、健常者、  フィールドトリップ参加者全員と集合写真
障がい者の交流での人数確認・受付最中

 

【健康・スポーツ分野】

インターンシップ実習を振り返って

健康・スポーツ分野では、31人の学生が23もの施設で実習を行いました。沖縄県内外のスイミングスクールやスポーツクラブを始め、健康増進施設や研究機関附属施設など、多様な業種でした。スポーツ健康学科の目標である、「健康・スポーツ活動支援ができる人材の育成」のためには、非常に目標に見合った実習先となりました。これもご尽力頂いた皆様のご協力の賜物です。改めて感謝いたします。
 インターンシップでの分野別の事前学習では、前述したように多岐にわたるインターンシップ先であるため、専門性を求めた学習ではなく、挨拶や自己紹介などの、インターンシップ先で「コミュニケーション」がしっかりととれるような、社会一般の基礎マナーについて学習しました。しかし、インターシップ後の報告には、やはり「コミュニケーション」の大切さを実感したと述べる学生が多いようです。挨拶や積極的に話し合うなどの「コミュニケーション」は、仕事だからするのではなく、人として行って当たり前のマナーです。日頃の学生生活で、意識を少し変化させるだけで改善できることです。また、報告書を読んでいると、「目標」を持ってインターシップ実習に臨んだ学生とそうではない学生では、15日間の実習期間で学んだものが大きく異なるように感じます。
 インターンシップ先から返送された評価表に書かれている内容が、現時点での社会的に見た学生の皆さんに対する評価です。真摯に受け止め、改善できるところは改善し、残りの学生生活でより社会に求められる人材になれるように努力しましょう。
最後になりましたが、大辞林によるとインターシップとは、「学生が在学中に自分の専攻に関連する企業に体験入社する制度」だそうです。一年後には始まる就職活動、二年後には社会人として第一歩を踏み出します。学生の皆さんには今回のインターンシップで学んだ事や体験した事をしっかりと振り返り、新たな「気づき」を得て、次のステップへと歩みを踏み出してほしいと願います。

総評:平野 貴也(スポーツ健康学科 准教授)
石橋 千征(スポーツ健康学科 助教)



学生の声 Voice蒔けは糧に繋がる

玉城  輝明(2年次、コザ高校出身)

 

 私は、福岡県にある福岡県立科学情報センター(アクシオン)でインターンシップを行いました。アクシオンは、福岡県全体のスポーツに関する情報を扱っており、その情報を福岡県内の学校や地域の体育協会に発信することが主な仕事内容です。事業の取り組みの一つに、タレント発掘事業などがあります。
インターンシップを通して学んだことは、一つ目に、名桜大学を背負っているという意識を常に持って行動することが必要だということです。自分一人の勝手な行動で周りに迷惑を掛けると、自分だけではなく大学全体にまで迷惑を掛けてしまうからです。二つ目は、感謝の気持ちを持つことです。アクシオンのスタッフは、助け合い、お互いを尊重し合い、常に感謝の気持ちを持って仕事に取り組んでいました。それを目の当たりにして、私も日頃から感謝の気持ちを持って過ごしていくことが大切だと感じました。
 私は教職を目指しているので、もっと児童・生徒と触れ合い、いろいろな経験をしていくことが今後の課題です。小・中学校を対象とした、学習支援ボランティアにも積極的に取り組んでいきたいです。それから、コミュニケーション能力を身に付けていくためにも、同じ学科の人や、同じ友達ばかりと会話するだけでなく、いろいろな人との関わりを持つことを意識していきたいと思います。


児童を対象に体力測定や補助を行った

 

【野外教育分野】

健康を支援するための実践的な指導力を学ぶ

プロジェクトアドベンチャー種目に挑戦

 2年次のインターンシップは、まず社会の現場で健康を支援する職場はどのようなところがあるかを知ること、そして、健康を支援するための実践的な指導力とは何かを学ぶことを目指しています。野外教育施設は、全国各地に広がり、夏休みの期間を通し、沖縄だけでなく、日本の国を知ってほしいと考え、県外の施設を勧めています。今年度私たちが担当した実習生は、国立青少年交流の家11人、国立青少年自然の家8人、府立海洋センター1人、県立青少年の家6人、市立少年自然の家1人、リゾート施設2人の計29人でした。それぞれの場で、良い先生方や仲間に出会い、素晴しいご指導と貴重な体験をさせていただきました。
野外教育においては、自然そのものが最良の指導者です。また、野外教育は、体験を通して学ぶという体験学習です。体験学習の特色は、①学習者中心の学習、②学び方を学ぶ学習で、得るものとして、主体性、現実性、協働性、創造性、試行性があります。学生たちが、大学内ではできない多くの貴重な体験を積むことができたことを、それぞれの報告を聞きながら感じることができました。学生たちが、大きな成長を遂げることができた3週間であると、実習を受け入れていただいた施設、指導者の皆様に感謝いたします。
今年度も2年次生がインターンシップに旅立ちましたが、幅広い体験と、多くの出会いを体験させていただきました。このインターンシップの体験の成果を実感しているのは学生たち自身だと思います。今後も「ボランティアとしてきてほしい」というお誘いを、多くの学生たちが受けることができました。
今年度も計21人(私たちが担当した内の72%)が県外に飛び立ってくれました。交通費は自己負担なので、それぞれかなりの出費でしたが、それ以上の体験ができたと報告してくれています。学生たちは、各施設が一番忙しい時期に、それぞれの施設で、貴重な体験をさせていただいたようです。名桜大学人間健康学部スポーツ健康学科の学生たちが、これからもお世話になると思います。今後とも、「健康を支援する」「生きる力を育む」実践的な指導者養成に、ご指導ご協力いただけますようお願い申し上げます。

総評:柳 敏晴(スポーツ健康学科 教授)
喜久川 美沢(スポーツ健康学科 教授)

他大学生とも交流


学生の声 Voiceたくさんの学び、出会いに感謝

明 真理亜(2年次、鹿児島県・徳之島高校出身)

 

 私は、インターンシップを通じて8月に北海道の大雪青少年交流の家という野外施設に行きました。インターンシップ先に北海道を選んだ理由は、北の夏を体験してみたい!ということと、これからの人生において北海道まで行く機会などなかなか無いであろうという思いからです。
野外施設とは、主に子どもを対象に海や山、川などでの自然体験活動を提供する場所です。私は、そこで約3週間のインターンシップに取り組みました。インターンシップ中は、登山コース・ハイキングコースの調査として何度か山に登ったり、クラフト体験や屋内で行うニュースポーツ体験活動を行ったりと、初めて体験することばかりでした。私が今回のインターンシップで学んだ事として、野外施設も学校と同じ教育現場である事、何に対しても自分の考えや意見を常に持ち、上司や目上の方であってもきちんと主張する事の大切さを学ぶ事ができました。また、このインターンシップは私にとって自分自身を見つめ直す良い機会にもなりました。インターンシップではたくさんの時間とお金を費やしましたが、その分たくさんの学びと出会いがありました。この学びと出会いに感謝すると共に、今後の私の大学生活の大きな活力とし、教員という将来の目標に向かって日々前進していきたいと思います。

 
登山コース・ハイキングコースに危険がないかを調査するために、職員の方々と実際に山に登った時の様子