沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

研究コラム(つながる、つなげる教員の輪)研究

「地域特性に沿った効果的な生活習慣病予防教育とは何か」

島袋 尚美/人間健康学部 看護学科/掲載日:2017年9月

「地域特性に沿った効果的な生活習慣病予防教育とは何か」

島袋 尚美(人間健康学部看護学科 助教)

 沖縄県は、男女の平均寿命が全国1位を維持していたが、平成22年都道府県別生命表において、男性の平均寿命が25位から30位へ、女性は1位から3位へと順位を下げた。平均寿命低下の主たる原因は、35歳から59歳の働き盛り世代の死亡率の悪化にあり、主要死因は、急性心筋梗塞、脳血管疾患、肝疾患などの生活習慣病である。平成23年県民健康・栄養調査によると沖縄県は、肥満者割合が男女ともに全年齢で全国を上回る。また、沖縄県の平成22 年年齢調整死亡率(人口10 万対)で男性30~50歳代の肝疾患による死亡率が高く、その中でもアルコール性肝疾患の死亡率(人口10万人対)は、全国男性6.6人に対し沖縄県男性は12.6人で全国に比較して高い状況であります。
 平成26年6月に施行されたアルコール健康障害対策基本法は、アルコールの危険性などの知識を広く国民に知らしめ、当事者の受診や家族・関係者の相談を早期に促し、関係機関がアルコール健康障害の予防や治療対策を連携して推進することとする。これらは私の研究の背景と動機になっている。保健師は、地域住民がどうすれば健康に生活できるかを常に考えてきました。しかし、保健師の行う予防活動の健康教育や保健指導の意は届かず、「なんくる~なる」を地で行く住民も多く、今の不摂生生活習慣を続けていると将来、病気になってしまう、なんとかしたいという想いで、地域の保健師と手をつないで研究に取り組んでいます。地域保健対策の推進に関する方針(平成27年)において、ソーシャル・キャピタル(地域に根ざした信頼や社会規範、ネットワーク)といった社会資本の重要性が示されています。
 沖縄県、特に北部地域は人のつながり、ソーシャル・キャピタルが強みである地域だと考えます。この地域の強み、地域の資源を生かして、地域特性に沿った効果的な生活習慣病予防教育とは何かを探求しています。

    

2017年9月

島袋 尚美(しまぶくろ なおみ) (人間健康学部看護学科 助教)
 生まれも育ちも現住もうるま市。地域看護領域に所属。前に看護師や保健師に携わり、人々の生活、生死に寄り添う看護の仕事が大好き現場人間でした。が、最近、教員の仕事の楽しさが少し分かってきたような。卒業生が現場の近況を伝えてくるとき、研究で地域の保健師や住民方と関わるときに、教育や研究の波及効果や可能性を感じて、ワクワクと重責が混じる複雑な気持ちでいます。(^^;

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