沖縄の公立大学 名桜大学(沖縄県名護市)

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授業紹介:「在宅ケア論-在宅酸素療法のケア-」

掲載日:2016年7月19日お知らせ , 教育・研究活動レポート , 看護学科

 高齢在宅看護領域では在宅ケア論の授業の中で、在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy)についての講義と実際の演習を行っています。今年は平成28年6月27日(月)に実施しました。講義では、帝人在宅医療株式会社の田坂克之氏を講師に迎え、在宅酸素療法の歴史や目的、導入方法や効果、費用、リスクなどの基礎的知識から、東日本大震災や熊本震災におけるHOT患者様への対応をどのように行ったかについて経験談を踏まえて講話をしていただきました。

 講義終了後の学生の感想としては、「日本で最初にHOTを開始した都道府県は沖縄であることを知りました。在宅酸素療法を実行することで、今まで労作時や病院で生活していた人は在宅で生活でき、活動範囲もすごく広がり、活動性が高くなることを学びました」、「在宅酸素は患者やその家族にとってQOL(Quality of Life)を向上させるものであるということがよくわかりました。しかし、災害時のリスクや日頃の火事など事故のリスクも想像以上に深刻でしたので、医療者側もきちんと患者やその家族に適切な使用方法を説明できるようにしなければいけないと思いました」、「医療機関以外でも在宅で患者さんが安心して暮らせるようなバックアップ体制があるということを初めて知りました。病院の外の動きも知らないと患者さんが地域で過ごすためのアドバイスが十分にできないと実感しました」と在宅酸素療法の歴史や使用する患者様へのケアについて学んでいました。また、「災害時にも迅速に対応できるよう平常時に、常に確認と連携が行われていて素晴らしいと感心しました」、「安否確認をこちら側から行っていて、もし自分が利用者なら不安から少し解放されるなと思いました」など、災害時の対応の重要性を理解することができていました。

 演習では、南西医療器株式会社の協力により、4グループに分かれて酸素濃縮装置と携帯用酸素ボンベを目の前に使用方法の説明や注意点、アラームの対応方法、酸素ボンベの交換方法などについて説明していただきました。また、実際に酸素カニューラを装着して、HOT患者様がどのような思いで過ごされているのかを体験しました。「ボンベを使って外出したり、または旅行に行くことができるなど、とても便利だと思いました。使い方もシンプルで高齢者にわかりやすくなっていて、自分らしい生活を送る手助けとなるものだと思いました。実際に体験して、楽に持ち運びができて違和感がなく使えました」「実際に酸素療法の体験を行ってみて、在宅で酸素療法が行えるようになり、患者さんの行動範囲も広がりましたが、カニューレを着用しながらの外出は少し恥ずかしさを感じました。社会生活の中で周囲の人々の配慮や理解があることで在宅酸素療法を行っている患者もポジティブに快適に暮らすことができるのかなと思いました」など、HOT患者様の心理、社会面も考えるきっかけとなっていました。在宅酸素療法で使われる機器類を実際に見て、触れて、使用するという体験型学習により、学生が在宅での患者様の生活をより具体的に想像でき、在宅酸素療法における指導のポイントなどを学べるよい機会となりました。

 ご協力いただきました南西医療機器株式会社の皆様に厚くお礼申し上げます。
 高齢者在宅看護領域:佐和田重信 永田美和子 佐久川政吉 吉岡萌 安仁屋優子

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