公立大学法人名桜大学

 

リベラルアーツ機構 はじめに

 経済や情報通信のグローバル化が進み、新しい価値観や人生観を確立できる主体的な力が個人一人ひとりに求められる中、大学は入学希望者数が入学定員数を下回る、いわゆる「全入時代」に突入しました。学歴主義(どの大学を卒業したのか)から能力主義(何ができるのか)への大きな転換点を迎え、本学でも、学生に到達目標を明示し成績評価を行う「質の高い教育」に加え、豊かな感性と知性を併せもった円満な人格形成を目的とした「名桜大学型リベラルアーツ教育」をどう具現化するかが喫緊の課題となっていました。

 

 平成22年8月、リベラルアーツ機構の前身である教養教育センター設置準備委員会が発足し、(新)教養教育カリキュラムの設計、授業概要の作成、教養教育センターの規程制定を行うために、25回を超える会合がもたれました。教員を全国の国公私立大学や研修会に派遣し、他大学の先進的な教育事例を取り入れることに努めた結果、極めて短期間の間に、非常にユニークな教養教育プログラムと、その推進を担う教養教育センターの基本構想をまとめあげることができました。

 

 平成23年4月、満を持して教養教育センターがスタートしました。新しい教養教育の最大の特徴は、教養教育カリキュラムの全学共通化といえますが、これは単に科目を共通化しただけではありません。例えば、アカデミックスキル科目群の「教養演習I」「教養演習II」「コンピュータ・リテラシー」「アカデミックライティングⅠ」の4科目は、18クラス以上で、かつ異なる教員が担当するため、その授業管理は相当困難になると予想されました。そこで「科目区分責任教員」を置き、科目担当者との連絡・調整や授業実施後の点検・評価が推進される仕組みを導入しました。

 

 「教養演習I」や「教養演習II」の全体発表報告会を、1年次教育の中間評価、総合評価の指標と位置づけ、その共通目標を達成する工夫が、「アカデミックライティングⅠ」や「コンピュータ・リテラシー」でも試みられています。アカデミックスキル科目群の他にも、自らの現状と目標を確認し実行する「ライフデザイン」、世界から沖縄の独自性を見つめる「沖縄理解」、論理的・批判的思考力を身につける「思想と論理」、心身の健康を養う「健康スポーツ」を共通コア科目として配置しました。さらに、共通選択科目として「外国語」「国際理解」「人文科学」「社会科学」「自然科学」と幅広い教養科目群を揃えることができました。

 

 平成27年4月、教養教育センターは大きな転機を迎えました。学内外において教養教育カリキュラムの開発と運用が評価され、「リベラルアーツ機構」として生まれ変わったのです。単に名称が変わっただけではなく、実質的な内容にまで踏み込んだ改組となりました。平成27年4月より、(1)全学的に学習支援を行っていた「言語学習センター」や「数理学習センター」等を統括する上位組織として位置付けられたこと、(2)学生の母語による文章力を支援するライティングセンターを新設したこと、(3)開学20周年・公立大学法人化5周年記念事業として学生会館SAKURAUMが建設され、その中にリベラルアーツ機構長室、3つの学習センター、学生支援ボランティアが集約されたことにあります。

 

 教養教育センターはリベラルアーツ機構に改組することで、平成28年度からスタートする新しい全学的な教養教育カリキュラムの開発と運用に加え、多様な学生の学びを学生と教職員が協働して支援する3つの学習センターの運営、さらには自立した学び手を育てる学生会館SAKURAUMの環境づくりを調整する組織として生まれ変わったのです。

 

 本学は、平成28年4月から始まる第二次中期目標・中期計画で、さらにリベラルアーツ教育を発展・推進することを約束しています。その際、「名桜大学型リベラルアーツ教育」を具体化し、実現するためにも、教養教育、学習支援、学習環境をマネジメントするリベラルアーツ機構の重要性はますます大きくなっていくでしょう。

平成29年4月1日

リベラルアーツ機構長 木村堅一