「内定」の法的性格

 

「内定」の知らせは採用通知という形で文書で行われるのが一般的です。内定通知にはどんな意味があるのでしょうか。
 まず一つは、解約権留保付労働契約という意味があります。これは、労働契約は成しているが使用者の方に労働者に対する解雇権が留保されているということです。
 あと一つは、労働契約を締結すべき旨の予約という意味があるといわれます。内定通知により承諾の意志表示、つまり「誓約書」も一つの「契約」であるといえます。
内定後に「辞退」したい。できるでしょうか?
原則として自由。しかし、契約の自覚が必要。
採用通知つまり「内定」の通知を受け、「入社承諾書」や「誓約書」又は「同意書」を提出した後に、本命とする○○社から「採用を内定します」という吉報が届いたとします。そのようなとき、先に「内定」した会社を辞退したいのですが取消しできますでしょうか、という相談がよくあります。
 法律的には、内定を辞退したからといって罰せられることはありません。内定の辞退は自由です。(民法627条、労働基準法20条)。しかし、いくら内定の辞退が法的に自由といっても後輩や大学、企業に迷惑をかけるケースがあることを忘れてはいけません。
 内定の数を自慢する学生もいますが、最終的には「1社」にしか就職できませんので乱用は慎むべきでしょう。いくつもの内定をキープすることは企業に迷惑をかけることは当然ですが、同時に就職活動をしている他の学生の「入社のチャンス」を奪っていることにもなります。更に皆さんの後輩にも影響を与えかねません。“○○大学は、辞退が多く採用に当っては要注意”という結果になりかねないのです。
 社会人として最低限のルールは守らなければなりません。企業も真剣に人材が欲しいから内定を出すわけですし、採用活動にそれなりの費用もかかっています。「誓約書」も一つの「契約」であるという自覚が必要です。
 もし複数の企業から内定を受けていて一方を辞退しなければならない場合には、早い時機に意思表示をすべきです。内定を辞退する場合は、どのような理由であっても“相手に迷惑をかけること”になりますので、謙虚な気持ちで心からのお詫びをする誠実な対応が肝要です。内定(合格)が出た場合は、すべての情報を速やかに就職課に報告してください。個人で内定情報を埋もれさせていると、結果として思いがけず大きなトラブルに発展する場合があるので注意して下さい。

 

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